第一テスト、庭園。その1
よろしくお願いします。
扉を抜けた先には、大きな庭園があった。
この庭園には池があり、その周り取り囲むかのように白色の建物があった。
その池には、疑似太陽だろうか?まぶしい光に照らされていた。
〈第一テストは、庭園です。50名が脱落します〉
全員がこの部屋に入るとアナウンスが流れた。
50人が脱落⁉
わっかてはいたが、声で聞くと恐ろしく感じる。
脱落ということは50人が死ぬということだ。
俺の順位は50位なので油断してはいけない。
〈それでは、ルールを説明します。このテストは人狼鬼ごっこです。皆さんには3人グループを作ってもらいます。そして10チームには人狼陣営を、その他23チームには市民陣営になります、その他の職業はありません。勝利条件は人狼陣営は、2チーム(合わせて6名)をタッチすればその時点で勝利。市民陣営は、人狼グループを1つ見つけ出し、開始直後に支給される紙に3人な名前を書けばの時点で勝利となります。この勝利条件に達したものが、17チーム出た時点で終了といたします〉
俺は柚葉とルーラでこのゲームに挑む予定だ。
正直、ルーラは2位だし柚葉も自分より高い順位のものだろう。
このメンツの前では人狼であろうと市民であろうと負ける気がしない。
〈さらに特別ルールとして、目の前の池に飛び込むと10分前に時間がリセットされます。グループの中に、脱落者が出たりした場合に使うといいでしょう。ただしこの池は3時間に5回までしか使えないため注意してください。そして一時間に一度会議タイムがあります。この場ではタッチや紙の効果は出てきません。ここでは一番投票されたグループが脱落します。ルール説明は以上です。その他、注意事項もあります〉
すると、池に文字が浮かび上がった。
〈注意事項〉
・一人でも脱落者がいる場合、勝利となりません。
・勝利条件にたっすると、別の部屋に移動されます。
・紙は3回しか使うことができません。
・23時間以上たってもテストが終わらない場合、ランダムで50名を選びます。
・池によって過去に戻ったさいは、勝利した者たちにも影響します。
・開始1時間までは池を使うことができません。
・会議タイムでは必ず投票しなければなりません。
・今回のテストでは時間に関する想像はできません。
・人狼陣営がタッチをする場合、攻撃の想像とは含まれません。
・スタート位置は、庭園内をランダムにテレポートされます。
・紙は他の人には見ることができません。
・最初のグループを決めるさいに組めなかったものは脱落者となります。
・今回のテストでは瞬間移動や高速移動などは禁止です。
・今回のテストでは別条件の想像であれば覆すことができます。
注意事項が多いな。
こんなに多いとよくわからなくなる。
少し気になったことといえば最後の〈今回のテストでは別条件の想像であれば覆すことができます〉だろうか?
このデスゲーム全ての注意事項で書かれていたことを破るのだ。
それ相応の理由があるのだろうか?
〈それではグループを決めてもらいます。各自グループになると承認画面に映ります。承認をするとグループになることができます。一度決めると取り消せません。注意してください〉
俺はそのアナウンスを聞いて、ルーラ達のところに向かった。
「うわぁ!なんかすっごい承認の通知が来てる」
「そりゃあ2位だからな。グループに入れてぇやつはたくさんいるだろ」
俺が合流するころには、2人は合流していた。
「ごめん、お待たせ!」
俺は人だかりを通り抜けて行き、二人に近づきつつ話した。
「いや、待ってないよ。今承認のやつ送ったから」
「ありがとう」
〈一ノ瀬ルーラ及び17チームに入りますか?〉
当然答えはイエスだ。
これでグループに入れた。
余った一人はその時点で脱落者になるらしいから、これで脱落する心配はない。
本当に柚葉のおかげだ。
もしかしたらあの時話しかけられなかったら、脱落していたかもしれない。
「よし!これでOKだね」
「そうだね。ねぇ実はさ聞きたいことがあるんだけど、注意事項の最後の〈今回のテストでは別条件の想像であれば覆すことができます〉っていうのは何なの?」
俺は疑問に思っていることを二人にぶつけた。
もしかしたらわかるかもしれない。
「それは…………」
その質問に答えてくれたのは柚葉だった。
柚葉が言うには、そもそも他者の想像を覆すことは不可能っていうルールは最強らしい。
このルールの裏返しは、一度使ってしまえばもうその想像は止めることができない、ということだ。
柚葉の見解ではこのルールは基本禁止にされると予想している。
じゃあ意味なくない?と思ったのだがテスト外では自由に使える。
だから意味がある。
そう解釈しているそうだ。
「そうだね。例えば人狼は自分たちに触れられないっていう想像をしてしまえば、市民は勝ち同然だからね」
なるほど。
そういうためにあるのか。
〈すべてグループが決まりました。残念ながら98位の田部優樹は脱落となります。それでは10秒後にテストを始めます〉
「やめろ!やめてく…………パン!」
どこかで叫び声が聞こえた。
多分脱落が決定した人だろう。
近くに人が多すぎて、見えなかったが消滅したのだろう。
なんというかご愁傷様です…………。
俺は気持ちだけ供えた。
〈3,2,1、0〉
0と聞こえた瞬間見知らぬ場所にテレポートした。
〈あなたたちのグループは人狼です〉
え、人狼⁉
まじかよ…………。
どっちらにせよあまり変わらないが、少数派だったため少し驚いた。
「人狼だってね」
俺は皆に同情して言った。
「ううん。市民だよ」
「え?」
出来る限り、現実に近づけるため注意事項を出しまくりました。
これで理不尽なことにはならないはずです。
コメント・アドバイスお願いします。
今後の展開決めていないので。