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赤ずきんを被って森へ入ったら、銀狼が助けてくれました(継母と双子の妹にはもう懲り懲り)  作者: 風野うた
第二章 ブリシア公爵家のアリアドネ

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99/99

99 レーベンの羽

楽しい物語になるよう心がけています。

どうぞ最後までお付き合いください!!


 賢者ゴールはガラスの小瓶の蓋をしっかりと閉めた。


「アリアドネ様、爺がお助けいたします。あと少しだけお待ちくだされ」


 彼はテーブルの上に用意したかごの上に小瓶を置く。かごの中には妖精から分けてもらったレーベン鳥の羽毛が敷き詰めてある。


 妖精の森に住むレーベン鳥は命を紡ぐ鳥。


 魂を奪う死神とは対極の存在だ。新たな命に魂を吹きこむ。それがレーベン鳥の仕事なのである。


 今回は新たな命ではないが、誤って飛び出してしまった魂を元に戻すため、この鳥の羽毛を使う。


 また、この羽毛を用意したのは筆頭魔術師モージ・ブランシェである。


 彼は妖精と人間の間に産まれたハーフエルフ。今回はゴールの頼みで妖精の森の長、ギャロンの許可を得てレーベン鳥の巣から羽毛を採取してきた。


「ゴール様、この羽毛をどのように使って、魂を元の身体に戻すのですか?」


 モージはかごの中から、羽毛を一枚取り出して、ヒラヒラヒラと振る。


「コラ、勝手なことをするな。アリアドネ様がそこにいらっしゃるのだぞ」


「はっ、失礼いたしました」


 モージは慌てて、羽を元の場所に戻す。


――――ここで、廊下から軽快な足音が近づいて来る。


「ゴール、アリアの魂は?」


 部屋に現れたのはライナスだった。彼は銀狼の姿のまま、中庭からアリアドネの寝室まで一気に駆け抜けてきたのである。


「アリアドネ様の魂はこのガラスの小瓶に封じております。爺がレーベン鳥の力を借りて、元の身体へ魂を入れ込みますぞ」


 賢者ゴールはレーベン鳥のことをライナスに教えた。


「死神と逆のことをする存在か・・・、知らなかった」


「そうでしょうな。殿下は浄化をするのが務め。いわば、死神のようなものですからのう、フォッフォッフォ」


 楽しげに声を上げて笑うゴールの前で、ライナスはブスッとする。モーゼはゴールにつられて笑わないように視線を逸らした。


「さて、余り長く魂が身体から離れているのは良くありませんからのう。サッサと済ませますぞ」


 急に雰囲気を切り替えて、ゴールはガラスの小瓶の入ったかごを手に取る。


「ああ、宜しく頼む」


「そんなに心配しなくても大丈夫じゃ」


 ゴールはアリアドネの胸の上にかごを置いた。そして、アリアドネの身体の上で両手を翳し、古代呪文を唱えていく。


 ライナスはアリアドネの無事を祈り、モーゼは賢者の唱える呪文を真剣に聞いていた。


―――突然、ゴールの呪文詠唱が止まる。


「どうした?何か・・・」


 ライナスが心配して声を掛けようとしたところで、アリアドネの身体が発光し始めた。ゴールはアリアドネから視線を外さず、ライナスを手で制す。


「お嬢の身体に魂が取り込まれている途中ですからのう。殿下、あと少し待ちなされ」


最後まで読んで下さりありがとうございます。

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