80 フラッシュバック 11
楽しい物語になるよう心がけています。
どうぞ最後までお付き合いください!!
アリアドネの脳裏に呪いの言葉が蘇ってくる。マティルデから言われ続けていた言葉が・・・。
『自分が産まれるために母親を殺した悪魔!』
『近寄らないで穢れた子!』
『お前が居たらこの家は滅びる』
『早く死ねばいいのに!!』
(あの人には酷い言葉ばかり浴びせられたけど・・・。でも、実際にお母様は私を産んだせいで天に召されたし、クロ―シェ伯爵家は取り潰しになったわ。――――もし、ライナス殿下に不幸なことが起き・・・」
「何を考えているんだ?」
「――――後ろ向きなことです」
「ブッ」
ライナスはクックックッと喉の奥で笑いながら、アリアドネを抱き寄せた。
「是非、聞かせてくれないか、そのネガティブな話を・・・」
アリアドネは心地よいぬくもりに包まれて、継母から投げかけられた言葉をポツリ、ポツリと彼へ語っていく。そして、最後に鞭で折檻を受けていたことも告白した。
「――――とはいっても、常に継母の言葉に囚われて苦しんだり、鞭で打たれた痛みを感じているわけではなく、たまに突然、頭に浮かんで来て苦しくなるんです」
「なるほど、それはフラッシュバックかも知れないな。過去の辛い経験が突然鮮明に蘇ってくる現象のことをいうんだ。これからいろいろな経験をしていけば少し落ち着くかも知れないが、頑張れば克服出来るというものでもない。安心出来る環境と長い時間が必要だ。アリア、私やミアだけではなく今後、君の周りには常に誰かがいる。苦しい時は遠慮なく皆を頼れ。無理はしなくていい」
「はい」
「アリア、勇気を出して話してくれてありがとう」
「こちらこそ、話を聞いて下さりありがとうございます」
「で、早速、蒸し返して申し訳ないが、君のことを悪魔と罵った女の方が本当の悪魔だと私は思う」
ライナスはアリアドネの瞳を覗き込む。
「それにクロ―シェ伯爵家を潰したのは君の父と継母、そして双子の妹だ。何も悪くない君を折檻するなんて、頭がおかしいとしか思えない」
「ただ、母は私のせいで亡くなりましたので、その件だけは反論の余地もなく・・・」
「いや、それも今となっては疑わし・・・」
ライナスは突然、言葉を止めた。
「――――疑わしい?」
その先が気になったアリアドネは彼の言葉尻を拾う。ライナスはアリアドネを数秒見詰めた後、言いたくなさそうに口を開いた。
「君の母上の亡骸には不審な点が多い。まだ確実とは言えないが、彼女は出産後に殺害されたのではないかと思う」
「そ、それは・・・、本当に?」
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