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赤ずきんを被って森へ入ったら、銀狼が助けてくれました(継母と双子の妹にはもう懲り懲り)  作者: 風野うた
第二章 ブリシア公爵家のアリアドネ

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59 侍女たちの想い 中

楽しい物語になるよう心がけています。

どうぞ最後までお付き合いください!!


 初めてライナスが婚約者候補として会ったのは、幼いながらもしっかりしたプライドを持つ、ツンとしているタイプのお姫様だった。


 お姫様はライナスから話しかけられても『はい』『いいえ』としか答えず、笑顔のひとつも見せない。


 ライナスばかりが話しかける状態で、コミュニケーションが上手く行かず、室内に微妙な空気が流れる。


 すると、突然、ライナスは大きく開いてあった窓から、中庭へ出ていった。取り残されてしまったお姫様は何の言葉も発さず、無表情で窓の外を見つめる。


 幸い、ライナスはすぐに戻って来たのだが、怪しげなものをハンカチで包んでいる。


 彼はスタスタスタとお姫様のところに歩いて行って、ハンカチの中身を彼女の背中にいきなり突っ込んだ。


『ギャ~~~~ッ!!!』


 メリルは今もあの叫び声を忘れられない。


 ちなみに突っ込んだのは毒なしの蛇だ。当然、縁談は消えたが、幸い、相手が弱小国のお姫様だったため、国交に影響は出なかった。


 次の婚約者候補とライナスが会ったのは十歳になったばかりの時である。


 相手は皇后の母国スイザール王国の国王の末姫だった。つまり、ライナスのいとこである。


 今回は彼の性格を考えて、皇后(ライナスの母)が兄(スイザール王国の王太子)に末姫を未来の妃として迎えたいと打診し、顔合わせの茶会が設けられた。


 身内感覚で登城した末姫はライナスに気安く話し掛ける。


『ライナスって、いつも何をしてるの?』


『この城は花が少ないわね。庭師を代えた方が良いんじゃない?』


『ねぇ、少しくらい面白い話をしなさいよ!』


『はぁ!? 銀狼が好きかって~。バカね、けものを好きな人なんていないわ』


『あんた、私が花嫁にならなかったら、皇子を首になるんでしょ?』


 最終的にライナスはおしゃべりの止まらない末姫の口へ、テーブルの上に置いてあった布(ふきん)を詰め込んだ。


 メリルは未だに末姫が鬼のような形相でライナスを睨んでいたことが忘れられない。


 この事件以来、皇后はライナスの縁談に一切触れなくなった。


 皇后の侍女曰く『皇后さまは母国のお兄様から酷く怒られ、心が折れたのです』と。


 そして、最後に縁談話が持ち上がったのは四年前である。


 縁談相手は西の大陸にあるパリス王国の第二姫だ。


 彼女は聡明で薬学の知識に長けていた。結婚に興味のない二十七歳、既に行き遅れである。国王が頭を抱えていたところへ、ライナスの父(皇帝)が縁談を持ち掛けた。


 結果は一番最悪といっていいだろう。第二姫は見合いの場に白衣姿で現れた。研究所で新薬の実験をしているとことに国王(父親)が現れて、そのまま馬車へ詰め込まれて来たらしい。


 彼女はライナスと挨拶を交わすなり、彼の銀髪へ手を伸ばす。


『魔力が溢れているわ。この髪が欲しい・・・』


 ゾッとしたライナスは彼女を後ろへ突き飛ばした。


 次の瞬間、第二姫はポケットから取り出したナイフを手にライナスへ飛び掛かってくる。


 護衛達が二人を止める間もなく、ライナスは第二姫の首を絞めて落とした。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

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