表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤ずきんを被って森へ入ったら、銀狼が助けてくれました(継母と双子の妹にはもう懲り懲り)  作者: 風野うた
第一章 クロ―シェ伯爵家のアリアドネ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/99

3 知られていない娘

楽しい物語になるよう心がけています。

どうぞ最後までお付き合いください!!


 十六年前にクローシュ伯爵家の第一子としてアリアドネが産まれた時に、彼女の母は難産による大量出血で神のみもとへ旅立ってしまった。


 そして、アリアドネの父、アーサー・ロマ・クローシュ伯爵は亡くなった妻の喪が明けないうちにモディオダール男爵家の長女マティルデと結婚した。


――――実は父と継母マティルデはアリアドネの母が現れる前から恋仲だったのだという。


 しかし、前クローシュ伯爵が『男爵家と伯爵家では家格が釣り合わない』と、二人の交際に反対し、アリアドネの母との縁談を息子に押し付けたのである。


 一度はアリアドネの母との政略結婚で縁を切られた二人だったが、幸運なことに政略結婚の相手がいとも簡単にこの世から消え去ってくれた。


 だから、これはチャンスだとばかりに周囲の目も気にせず、二人は再婚したのである。


 前クローシュ伯爵も血筋の良い孫、アリアドネが産まれていたので、再婚に関しては口を出さなかった。


――――正直なところ、もう身勝手な息子のことを諦めていたと言った方が正しいかも知れない。


 その後はお決まりのコースである。継母と二つ歳下の双子の妹たちは前妻の子アリアドネを嫌い、使用人以下の扱いをして長年、彼女を虐げ続けた。


 父親は気づいているくせに、見て見ぬふりを貫いている。また、前クローシュ伯爵はアリアドネが三歳の時に病に倒れて亡くなったため、その後の惨状を知らない。


 年頃になった妹たちは煌びやかに着飾って、お茶会に舞踏会にと毎日忙しくしている。昨夜も泥酔して帰宅し、大騒ぎをしていた。


 一方、アリアドネはデビュタントどころか、帝国民の義務である魔術洗礼式さえも受けていないので、全く社交界に認知されていない。世間のことも、使用人たちの噂話で知るくらいだ。


――――そんなある時、アリアドネは屋敷の倉庫で母の日記を発見する。


  勝手に読んでもいいのだろうかと少し悩んだが、好奇心に負けてページをめくってみると・・・。


 アリアドネは母が隣国ピートアイランド王国から嫁いで来たということを始めて知った。そういう情報もこれまでアリアドネの耳には一切届かなかったのである。


 母方の祖父母の存在を知った夜、アリアドネは一人で泣いた。


 隣国の祖父母に今すぐにでも会いに行きたい。母のことを聞いてみたいという気持ちが溢れて来たからだ。


 とはいえ、クローシュ伯爵家で自分の希望を素直に口に出したところで、許可など貰えるはずもない。


 だから、森にキノコ狩りへ出掛けるふりをして、早朝に屋敷を抜けてきた。――――とにかく、ドラクロア城の裏手にある国境を超えてしまおうと・・・。


 それなのに森で飛び出して来た銀色の狼に驚き、いとも簡単に気を失ってしまった・・・。


「アリアさま、お湯加減はいかがでしょうか?」


「はい、大丈夫です」


 何故、自分は今、見知らぬ城で湯浴みをしているのだろうとアリアドネはため息を吐く。本当なら、もう国境を越えて隣国へ足を踏み入れていたはずなのに・・・。


「では、御髪を失礼いたします。――――まぁ、本当に美しいですね。手触りも絹のようだわ・・・・」


 嬉々とした声でアリアドネの髪を洗っているのはミアという若い侍女である。この後、身なりを整えて、アリアドネは皇子と面談しなければならないのだという。


 どうしてこんなことに・・・と、悔やんでも、仕方がない


 全ての過ちは森を甘く見ていた自分にあるのだから。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

面白いと思ったら評価、感想のほど、どうぞよろしくお願いいたします。


ブックマーク登録もお忘れなく!!


誤字・脱字等ございましたらお知らせください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ