2 ここは・・・
楽しい物語になるよう心がけています。
どうぞ最後までお付き合いください!!
赤ずきんを被った女は目を覚ます。
「ここは・・・」
彼女はフワフワなベッドの上にいた。
「お目覚めになられましたか?」
穏やかな口調で語り掛けて来たのはお仕着せを着た年配の女性。
「わたくしはこの城で侍女をしておりますメリルと申します。お嬢様、お身体に痛みなどはございませんか?」
「城とは・・・どちらのお城でしょうか?」
「ドラクロア城でございます」
「な、なっ・・・」
赤ずきんの女は驚いて声が出て来ない。
「ご心配はございません。狼皇子が人を食べるという話は真っ赤な嘘でございますから」
メリルはウフフフと上品に微笑む。
「――――そうですか・・・」
「ええ」
「私は・・・」
女は名乗ろうとして少し躊躇する。本当の名を告げてしまうと、ようやく逃げ出して来たあの家に帰されるかもしれないからだ。
「アリアです」
咄嗟に偽名が口から出てしまう。本当の名はアリアドネなのに・・・。
「アリア様、先程、森の中で銀狼を見て驚かれたとのこと。体調が回復されたら皇子殿下がお詫びを申し上げたいと言われておりました」
「――――恐れ多いです」
出来れば、皇子には会いたくない。アリアドネはこの城の裏手にある国境を目指しているのだから。
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