70.「これが呪い……唄……?」
リナとイオリのキャラ被りについては、どう考えてもそんなわけないのでスルーすることにしました。
「ゼッタイ被ってるって!?」
「心を読まないでくださいます?」
ともかく、ここからは衣装や曲が必要になってくる。
つまり、いよいよニコラスPの出番……なんだけど……
「ヒヒ……ッ、いいねぇいいねぇ。入り乱れた多角関係……熟し、爛れ、腐乱する恋愛模様……ヒヒヒヒヒヒヒッ」
どうしよう。
|人の不幸大好きおじさん《プロデューサー》、別の方面でテンション上げてます。
いつものごとく透明になっているから、何もない空間からひたすら笑い声が響いている状況。
「怪異」のみんなはもう慣れたもんだろうけど、イオリは大丈夫かな……? 一応、まだ自分が「怪異」だとは気付いていないはず……。
「腐乱する恋愛模様……ええやないか。そういうの、あたしも好きやで」
って、あれぇ!?
目を離した隙に、人格が黒沼さんになってるぅ!?
「最終的には全部アルバート様が抱くんや。どないにぐちゃぐちゃになってもええ。むしろスパイスや」
「何が? ねぇ何が???」
腐乱ってそういう意味じゃないよ黒沼さん!?
「チェルチェル! やっぱキャラ被ってるよ!!」
リナがまた騒ぎ出したけど、被ってないから。
安心して黙ってて欲しい。
「よっしゃ、景気づけにあたしが一発歌ったる」
「それ『呪い唄』だよね? カラオケみたいなノリで言わないで?」
「ちょっと催眠効果あるだけや。あたしなら催淫効果にもでき」
「この作品全年齢だからやめて!?」
R15相当だったとしてもほぼほぼグロ描写だからぁ!!!
えっちなのは良くないと思います!?!!?
「しゃあないな。『因習村音頭』ぐらいにしたるわ」
「何その、ホラーなのかアホなのかわからない曲」
「作詞作曲アレンジ全部あたしや。蛇神さまには笑ってもろたで」
「鼻で?」
「ようわかったな」
……なんて、戯れていたら……
「じゃあ新曲もお願いできるかい?」
「!!!!!!!!!」
し、しまった。アルバートが近くにいるのを忘れてた。
こいつと黒沼さんのタッグはまずい……!
「とりあえずタイトルは『頭を垂れて這い蹲れ豚よ』で……」
「それ、まだ諦めてなかったんですの?」
どう考えても、「因習村音頭」を作る人に頼む曲じゃないでしょ。
「ヒヒッ、いいねぇ。ジブンが作った曲も歌ってほしいよ。『悲嘆のバッドエンド』とか良いんじゃないかい」
「縁起でもないこといわないで!?」
ニコラス、それ絶対わざと言ってるよね!?
「……もしかして、『チェルシーはゴードンが大好き❤︎』みたいなタイトルだったら……」
ゴードン、聞こえてる聞こえてる。
…………わたしは「ゴードンはチェルシーが大好き❤」の方がいいかな。ヘタレなゴードンが、勇気を振り絞ってデレてくれるのがいいんだよね。わたしからデレてもらうのを待ってるようじゃ、ちょっとね。
「うおおおおおお滾ってきたぁぁぁぁぁぁ! インスピレーションの宝石箱やぁ!!!!!」
黒沼さんがめらめら燃えてるけど……ニコラスならまだしも、黒沼さんに作詞作曲のセンスがあるって聞いたことな……
「まずはアルバート様の案を大胆にアレンジして、『豚さん音頭』でどうや!!!」
ですよねー。
そういうセンスですよねー。
音頭しか作れない感じですかねー。
……そのタイトルで催眠効果あるの、逆に嫌だよ!!!!




