鳥籠の中の鳥の人生
「こんなお金持ちに飼ってもらえるなんて、この鳥は幸せね」
「死にそうになっていたところを保護してあげたんですって」
「素晴らしい飼い主だわ」
この鳥籠は窮屈だ。
自由に飛べない、歩けない。
俺は鳥籠の鳥をやっているけど、
望んでやってるわけじゃない。
快適だろう?
幸せだろう?
勝手に決めつけないでくれよ、飼い主さん。
俺は自由の方がいいね。
厳しくても、自然の中で生きていきたいね。
飢えたって、望んだ生活なら満足さ。
何から何まで決められたくないね。
美しくいられなくたっていいんだよ。
泥水にまみれていたっていいんだよ。
病気になってもいいんだよ。
のどが枯れたっていいんだよ。
誰かに支配されてい生きるなんて、そんなの俺の人生じゃないじゃないか。
だから飼い主さんよ。
あんたのただの意見を、俺に押し付けないでおくれよ。
「この鳥と出会えて私は幸せです。きっとこの鳥も幸せだと考えている事でしょう」