表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
再臨のラグナロク  作者: ちさん
二章 始界竜源
27/28

プロローグ 竜の源との出会い

青空を超えた先に、星々が点々と存在する黒い空間、宇宙ーー

そこに、一人の人ーーの形をした存在が世界を見下してる。

広く、果てが見えない黒い空を背に、

白い髪、白い服、白い目ーー全身純白の外見をしてる彼は、凡そ人が持てると考えられないオーラを漂わせ、世界を圧倒するような威圧を放つ。


王の威厳、神の威容ーーその表しだけでは不十分と思うほど、彼はすべてを超越した存在感を、表している。


彼は目の前の星を静かに眺める。宇宙から観察された星は、真っ黒で、一点の光も無く、()()()()()()()()()。黒い「何か」に星全体が覆われ、終わりを迎えつつある世界である。


そんな彼と相対するのが、星野 竜炎。黒い星の中心と言える場所に、黒き霧を身に纏う炎が、冷や汗をかきながら、一人で立ち尽くしてる。


得体の知れない存在を目の前に、憎恨の源の力を既に展開した炎は、それしかできないからだ。


「それが、今のお前の力か…」


純白の存在が、感情の帯びない声で、虫けらを見る様な目で、炎を見つめながら話す。


「世界の危機に、そして自身の命が死に近付けばつく程、【憎恨の源】の力が強くなるはずだが…その程度とは、笑える」


彼は言葉と裏腹に、表情一つも変えず、嘲笑うこともせず、静かに告げた。


「まあいい…本当にその程度だけだったら、この星もろとも消え去るだけだ」


その言葉と共に、彼の背後にーー神意のみが使える術陣ーー「神源陣(しんげんじん)」を展開した。

しかしその神源陣の規模は、ただ彼の後ろの身近い場所にとどまらず、何層も重なり、瞬く間に星を包み込めるような、巨大の神源陣になった。


炎は感じる。その神源陣から溢れ出す力は、強い。

純白の存在の言葉通り、星を滅べるぐらいの、大いなる力。

『世界を破壊できる力を持つ』と言われる憎恨の源(自分)を、遥かに超えてる。


「…憎恨の力を完全に発揮できない、己の未熟さを恨むがいい」


男は炎に向けて、手を上げ、拳を握り、構えた。

それと同時に、神源陣から莫大な源素が彼の拳に流れ込み、純白の光の塊に変わる。


「消えるがいい」


男は、手を振り下ろした。


シューーーー


空気が存在しない宇宙に、有り得ない音ーー風が裂く音が響く。

拳ぐらいの大きさの光の玉が、男の手から離れた瞬間、光の束に変わり、勢いを増し、そして、

大地を覆いつくす一つの流星となった。


星を貫く一撃ーー


ただの流れ星ではなく、かつて世界に「大絶滅」をもたらした隕石群よりも広く、地上から見上げる果てのない空の景色すらも、眩い光に変えたその攻撃に炎は、避けることができない。


逃げることは不可能。理を壊す(憎恨の源)力を以てしても、抗うことができない。


それが純白の存在が体現する支配の理。


『始界竜源』ーー竜種の源であり、憎恨の源と同じく、『(みなもと)』の一柱である神だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ