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魔法使いの懐中時計  作者: 暁月 オズ
第二章.イーユの町
44/185

44.看破する正体

「……何を、言っているんだ?」


 キースが再びソールに問い掛ける。しかし、先程までと異なりその額には汗が見えていた。それはソールからして見れば、明らかに相手が同様しているという証だった。


(この反応、やっぱり)


 確信を得たソールは、今度は胸を張って言う。


「聞こえなかったんですか?貴方が魔導士じゃないって言ったんですよ」


「何を根拠にそんなことを」


「貴方が本当に魔導士だとしたら、どうして魔導を使って僕らを攻撃して来ないんですか?」


「ソール、どういうこと?」


「……」


 その問いに、魔導士(?)キースは答えることが出来なかった。構わずソールは言葉を続ける。


「その答えは単純なんだ。キースさん、貴方は魔導士のフリをしているだけ、ルーンを扱えるだけで魔導なんか使えないんじゃないんですか?」


 その言葉で、場の空気が一気に変わった。先程まで優勢だったキースは動揺し、自らの正体を看破したソールに恐れを抱き始めていた。


「そう、思えばあの時……屋敷での呟きを思い返せばおかしかったんだ。本当に魔導士だったのなら、自分の身を守る手段として魔導を使えるはずなんだ。それなのに、キースさん、貴方は領主の傍に身を置くことで自らの安全性を確保した」


 ソールが一息置いて、


「それにこの町が呪われているなんて真っ赤な嘘……そうして呪い師として人々に存在を誇示することで、信頼と地位を獲得した。……違いますか?」


「……そこまで分かってるんなら、仕方ねぇ」


 それまで黙ってソールの話を聞いていたキースは、静かに口を開き始める。


「やっぱりお前らには、ここで消えてもらう!」


 と、勢い良くキースがナイフを片手に突っ走る。その矛先は、当然ソールへと向かう。


「!?」


 ソールは寸での所でそれを躱す。


「おっと、動かない方がいいですよ」


 逸る鼓動を意識しつつも、飽くまでも冷静を装ってソールは告げる。ポケットから懐中時計を取り出しながら、


「これ、何だか分かりますか?」


「……何だそりゃあ?」


 時計を見せ付けられたキースは、キョトンとした顔をさせる。


(やっぱり、この時計も知らない……。だったら)


「魔時計ですよ。簡単に言えば、魔法を扱える道具です。僕の知ってる本物の魔導士であれば、喉から手が出る程欲しがる代物です」


「魔時計……」


「そう、これが力を発揮すれば、貴方なんて空の彼方へと飛ばされる……大人しくした方がいい」


 一か八か、ソールは賭けに出る。


「さぁ、大人しく捕まって下さい!」


「……」


 キースは少し黙り考え、


「ハッタリだな」


「な!?」


「本当にそれにそんな力があるなら、お前こそどうしてそれを最初から使わない?そんな嘘話で俺を騙せると思ったか!」


 激情したキースは一直線にソールに襲いかかる。




 そして……

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