#戦闘訓練
戦技は<>でくくりました。
程い無双を目指していきたいです。
楽々チートは趣味じゃないので、、、
セトさんの剣から繰り出される攻撃は重いです。体格もパワーも腕のリーチだって違いすぎます。だから
剣をまともに受けたら即負けにつながります。
斬撃は間合いに入ってはいけません。
距離を取りながら隙をついて<瞬地>で距離を詰め一気に、<斬撃>で顔を正面から振り下ろす。もちろ
ん剣は届かない。反撃に備えて、<瞬地>で距離を取る。
「っ!!」
<風切>で飛んできた斬撃を寸での所で弾く。砂をかけ視界を塞ぎつつ足払い。そのまま<薙ぎ払い><
瞬地>距離をとる。セトさんは<瞬地>で追撃してきます。
やらかしました、、、首に剣を突き付けられて僕の負けです。
「よしよし、惜しかったね。」
「まぐれでも勝てる気がしませんよ。まだ奥の手もあるのでしょう?一体どのくらいの年月やってんですか。」
「んー、ざっと20年くらい?」
「えっ」
どう見ても高校生でしょ、制服着ているし。
「冗談だよ。簡単な戦技は教えたし状況判断も良くなった。今日は早く帰っていいよ。
明日はカンザキから魔法の訓練だね。」
「魔法って才能が必要なのではないですか?」
「魔法だけで生きていこうとしたらとてつもない才能が必要になるかもね。
でも少し使えるのと使えないのは土壇場で確かな差が出る。
そこら辺のことも明日カンザキから聞くといい。あいつ張り切って準備してるからな。」
そう言った時の、セトさんの顔はすごく優しかったです。
「セトさんとカンザキさんは夫婦なのですか?」
何も考えずに聞いちゃいました。うへぇ、他人のパーソナルスペースに踏み込みすぎました。柄じゃない
ですね。糖分が足りてません。
「ごめんなさ、、、」
空気読みごめんなさいは途中でかき消されました。
「付き合っていた。
仲間が死んだんだ、全て上手くいってたから過信していた、才能と与えられた能力に驕っていた。
ほんとに死ぬって思ったとき人って本性が出る、僕は死ぬと思ったとき今まで張り付けていたメッキ画剥がれたんだ。
逃げ出したんだ。前衛の僕が。
何事にも都合のいい話なんてない。努力なくして成功はない。
こうかいしない
「セトさんは十分強いじゃないですか。それに20年訓練しいるって、、、」
「全てが終わってから気が付いたところで、何もかも失った後、後悔を原動力にした努力なんて何の意味もない!!
、、、すまない、取り乱した。」
やっぱ適度な距離感は大切ですね、、、
過去に捕らわれた罪人ですか。ずっと罰を欲しがっているのですね、、、
「僕はすごいと思いますよ。何年も前のことなのに、セトさんはまだ向き合っている。
お仲間を弔えるチャンスがあるといいですね。」
願わくば彼が過去から解放されることを願って、、、
根城に帰るときダンとぶつかりました。もしかしなくても入れ替わっていませんし、ダンはパンを加えて
いませんでした。
「邪魔だ!」
ずいぶんな言いようです。かなり焦っているみたいですね。こっちを気にした様子がないです。
何かありましたね。
「どうしましたか?ダン。」
「ヴィレ、妹を、チェリーを見てないか?」
「住処にいなかったのですか?
一緒に探しますか?」
「あいつにはなるべく外でないように言ってたんだ。俺だってなるべくアイツのそばにいれるようにしていたんだ。なのに、、、」
だからって年少組からもの奪うのはどうかと思いますけど。人には人の生き方がありますからね。
「人さらいですね。もうダンも気が付いているんでしょう。」
「ザザンのところに行ってくる。」
「ダンにどうこうできる問題じゃありませんけど、、、それにザザンに喧嘩売るのはよしたほうがいいですって。」
「あいつは俺が守ってやんなきゃダメなんだ。俺しかアイツを守れる奴はないんだ。」
「家族だから?」
その声はいるはずのないチャーリーのものでした。
「あぁ、そうだ。」
「うわ!チャーリーいたの?」
「うん。お兄ちゃん今日早いね。」
「セトさんからの訓練が終わったんだ。明日から一緒に訓練できるよ。」
「わかった。それでさ、お兄ちゃんはどうするの?」
相変わらず話の話題急に変えるな、、、
「どうもしない。」
「どうして?」
「理由がないから。」
「お兄ちゃんはまだ家族になってない私を助けてくれた。それに理由はあるの?」
「リスクが高すぎる、メリットもない。僕は慈善で生きているんじゃないだ。チャーリー。」
「さらわれたらどうなるの?」
「売られて、物として扱われる。」
それがどんなに残酷なことなのか、スラムで痛いほど見てきた。
「私は助けたいな。だめ?」
駄目な訳、ないじゃないですか。