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#薬屋のヤムさん

朝日とともに僕らは目覚めます。


今日は狩りにはいかずお買い物の日です。


「今日は染料を交換しに行きましょう。

それと薬草換金しに行きましょうか。」


この世界でも女の子はおしゃれに敏感です。


髪の毛を変える行為は手軽なおしゃれだそうです。


僕はこの髪の色を気に入っているので染めたことはないのですけど。


赤、青、ピンク、茶色、、、、


染料屋さんにはたくさんの色の染料があります。


「チャーリー好きな色を選んでいいですよ。」


「これ。」


「チャーリーは、藍色の髪にしたいのですね。」


「うん。お兄ちゃんといっしょ。」


「うれしいこと言ってくれますね。」


髪に染料を塗ると魔法のように色が染まりました。


「とっても似合っていますよ。チャーリー」


「えへへ」




「次に行くのはヤムさんの薬屋です。

後々チャーリーも用事で訪れるかもしれません。道を覚えておくといいですよ。

ヤムさんのところでは薬草をお金に換金してもらいましょう。」


薬草を換金してもらうと思った以上にお金がもらえました。


金額は僕のほうが上でしたが量はチャーリーのほうが多かったです。


「チャーリーは初めてなのにすごいですね。」


「ほめて。」


ううーん、? 褒めたつもりなのですけど。


「、、、頭撫でて」


あぁ、そういうことですか。


ダンの時になでなでしたのに味を占めたようです。


仕方ないですね。かわいい弟分のお願いです。


「よしよし。」


「えへへ、、、」


ヤムさんは珍しそうにチャーリーを見ながらお金を渡してくれました。


いつも一人の僕が同世代の子を連れていたら驚きますよね。


「なんだい坊主、てめぇも徒党でも組んだのか。

3年間ずっと一匹オオカミでやってきたのにどんな風の吹き回だい。

お前なら一人のほうが稼げるだろう?」


「ヤムさん、この子は僕のファミリーですよ。」


「はっ!ファミリーときたか、ザザンのファミリーのまねごとかよ。」


「やだなぁ、確かにザザンさんはすごい人で憧れるけど真似事なんかじゃないですよ。

僕らは本当の家族って意味で使っているのです。

いつでもどこでも無条件で助け合って支えあうのさ。」


「ん?なんだ?そいつはぁ。

お前なんでその子にそんな肩入れする?

であって間もないだろう?それともなんだ?同郷か?」


「なんででしょうね。しいて言うなら彼女は僕のことを求めている。

そんな気がしたからです。」


「そういうもんか。」


「そういうものです。」


「よう、、、おまえはなんていうんだ?」


ヤムさんはチャーリーに目線を向けました。


「チャーリー、ヴィレの、弟、です。」


「そうか、坊主がこの前やけに慌てて薬を買っていったのはお前につけるためだったんだな。」


「えっ、僕そんなに急いでいましたか?」


「ああ、急いでいたとも、いつもは無駄話の一つや二つひっかけてくるのに、一番いいポーション全部買って即出てきやがったからな。

坊主がけがをしているわけでもないのにだ。

ちょっと気になっていたんだが、なるほどなぁ。

あとお前どうやってあんな大金手に入れたんだよ。」


「あれはですね。武器買うためにとっておいたお金です。」


「あれ全部か?

あれなら鋼の良さげなのを買えるだろう。

何買おうと思ってたんだよ。」


「属性武器です。手っ取り早く強くなるには最適じゃないですか。

僕戦技とか習っていませんし、魔獣討伐失敗したくないですし。」


「戦技なんて使える奴のほうが少ないんだがな、、、

そうか、お前は冒険者になりたいのか、

あんな夢見ないほうがいいと思うぞ。」


「夢なんて見ていませんよ。

スラム暮らしを脱したいって思っているだけです。」


「なんだぁ、お前は外に憧れるのか。」


「いいえ。今よりいい暮らしを望むのです。」


「そんなこと夢にも思えないところでお前みたいなガキがよくいい暮らしを望むことなんて思いつくな。

もともと礼儀正しいやつだったから気に入っていたが、やっぱお前はいい!お前には未来がある!」


「確か戦技を学んでいないんだよな?」


「俺は戦技が使えないが使える奴に心当たりがある。東の魔女のところに行って俺の名前を出せ、

そいで魔女の連れに頼んでみろよ。そいつはすげえ戦技覚えているぞ。

まあお前ができるか知らんけどな。 がははははは」


ヤムさんはこれ以上ないくらい上機嫌です。


「うん。ありがと、じゃあね。」


そういって僕らは薬屋を後にした。


あの人はなんだかんだと言って僕のことを気にかけてくれます。感謝しなくちゃいけませんね。


「ねぇねぇ、お兄ちゃん、ザザンってだれ?」


「ザザンはスラムの王様だよ、スラムの物々交換の基準とか金貸しとかいろいろなことをやっている、裏組織の長だよ。

あまりかかわりを持たないようにしないとだめだよ。

何要求してくるかわからないから」


「お兄ちゃんはそいつ嫌い?」


「やっていることはあくどいけどね。でもスラムで王都一の裏組織を、彼が一から作ったらしいのです。

すごい人とは思うのですけど嫌いですね。」


「そう。嫌いなのね、、、じゃあ東の魔女って?」


「王都の東の森に棲んでいる極東生まれの魔女だよ。なんでも変わった魔法を使うとか、、、

美人だと王都で評判されているけど、あったらネズミに変えられて猫の餌にされてしまうとかしないとか、、、

噂があるけど僕も正直よくしらないのです。」


「へえ、極東、その人ってカンザキシオリ?」


「えぇごめんなさいわからないです。

そのひとは知り合いですか?」


「違う。あったこともない人だけど気をつけろって。」


「誰に言われたのです?」


「、、、」


「明日は東の魔女のところへ行ってみましょうか。

目指せ冒険者です。」


「冒険者はなかなれないの?」


「今すぐにでも冒険者になろうと思えば簡単になれますが、如何せん体格も武器も経験もなしに生き残れるほど甘くはないです。

だから今は最低限の体格と武器がそろうまで準備をしましょう。」


「うん。わかった。」


わかった!

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