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#死にたい暗殺少女

僕っ子ヒロインにしたいステルス系少女の過去のお話

ドンブラコッコドンブラコ

久しぶりの家族全員での任務だった。


王国の山の中にある小さな里の地下に隠された、実験施設の破壊とそこにいる研究員の殺害が今回の目的。


私が偵察、父様が最下層の施設の破壊、爺様が研究員の暗殺、母様が魔法で何かあった時のサポート、兄様が作戦の指揮を執る。


私はいま地下道の入り口付近で挟みうちの警戒中。


いつもは前日の索敵だけで作戦当日はおうちにいれるのに今日は呼び出された。てか警戒の必要ある?


後で兄様に文句でもくれてやろう。


チョッと先まで進んでみよう地下道は複雑で罠が多い。


まあ私が前日ここに潜入して調べ尽くしているから、引っ掛かる余地なんてないけど。


!!!


下のほうで護衛とやりあっていた爺様が索敵魔法からその反応を消した。


どうして?もしかしたら転移のクリスタルを使ったのかもしれない。


護衛との戦闘の最中に?転移のクリスタルは使用するときの魔法回路形成に時間がかかる。


だから戦闘中そんな簡単に使えない。


もしかして死んだ?そんなはずはない。


爺様の体はスライムでできている。


暗殺するとき便利だからだ、って昔話してくれた。


でも便利だからってそのためだけに体の構成物質ですら変えようとする、


爺様は頭逝ってる。


ぱっと見て爺様は普通の人間だ。爺様の体がスライムなのはたぶん家族しか知らない。


爺様を殺すには核を壊さなきゃいけないことも、、、


後ろで索敵魔法からの反応多数。


完全なイレギュラーだ。


どうやって?


そんなこと今知る必要はない。


固有魔法インビジブル発動


私の消えてしまいたい、という願いをかなえるこの魔法は、魔力の続く限り私の姿を隠す。音、熱、空気の


流れさえすべての痕跡がない。


認識阻害だけのステルス魔法とは格が違う。


このまま戦闘せず強行突破する!


もうすぐ目視できる範囲にせまる、その時目の前には地下道いっぱいに網が広げられていた。


それは完全にメタだった。


インビジブルは縄にも適応できるでも縄を消したとてそこに私がいることはバカでもわかる。


くそ!裏切られた。


撤退して転移クリスタルで飛ぶ?


いや裏切り者は家族のだれかだ、転移先は家の庭に登録されている。


転移クリスタルの対策はされているはず。


家族が裏切り者ならば、索敵魔法に急に現れた反応も納得がいく。裏切りものは母様だ。


転移魔法で暗殺者を飛ばしてきたに違いない。


それにしても探知魔法に反応は20以上ある。化け物か、あのひとは。


なんで母様が直接殺しに来ないか。


母様の得意な火炎魔法を洞窟中にでもやられたら即死だ。それなのに...


いや、そんなの父様を殺すために決まってる。


父様は異常状態系の魔法が大得意だ。


最上級の冒険者の装備でも何等かの影響を与えるレベル。


しかも基本属性魔法の最上位魔法をバンバン使え暗殺術を使い対人戦闘も常人じゃ話にならない


でも母様なら別、あの人魔法を無効化する固有魔法の結界を張れる。


父様との対人じゃ話にならないけど爺様殺した凄腕の奴と協力すれば、いくら父様でも勝ち目は薄い。


おかしいと思うべきだったんだ。


任務に直接参加するのが嫌いな私にまで任務の一部を任せられるなんて、、、


どのみち転移クリスタルの使用はアウト、網を切る。


切った瞬間壁のように迫ってくるナイフ、魔法。


よける余地がない!!


致命傷だけ避けて被害は最小限にそれでも五本刺さったし何本も皮膚をかすめた。


途切れそうになる意識を無理やり保って包囲網を駆け抜けた。


月明り、外に出れた。


この先に川があるはず、、、


里が大爆発をおこした。

闇魔法の証である黒色の発光。


この威力、父様の固有魔法かな?


そんなの使えるって聞いたことないけど。


誰にでも秘密はあるだろう、ましてはこんな張りぼての家族なら ね、


私だってインビジブルのことを彼らに教えたことないし、そのおかげでたぶん川までこられたんだから。


血の痕跡すら消すインビジブルに感謝しなくちゃ







、、、たぶん爺様やったのは兄様だろうな。


戦闘訓練じゃそんな強そうにみえなかったのも演技じゃないかな。


なんか勘だけどしっくりくるな。


大体計画に私を参加させてる時点で結構ギルティーっぽいし、、、


川に身を投げた。


春とはいえ雪解けの水は寒そうだ。


凍えるような水の中で思う。




私はいつも独りぼっちだ


私は才能があったらしい。


だから本当の家族から切り離されて暗殺者として育てられた。


私は暗殺者になることを望んでいなかった。


人の命を奪うことが無性に嫌だった。


はずなのに、いつしかそんなことどうでもよくなっていた。


張りぼての家族は暗殺者としての価値しか私に見出さなかった。


私が私である証明は与えられた役目をこなすことでしか証明できず、そんな証明は邪魔以外の何物でもなかった。


私が望む何かは確かに存在する。


でもそれを奪っている私にその資格がないこともわかっている。


死にたい、自殺しよう。


そう思い怖気づいて出来なかったのは己の意志が弱いせいか、、、


自分を呪い殺してしまいたい。


そう思いながら意識は深淵に沈む。


目を覚ますとそこには少年がいた。


追手か?


いや見るからに弱そうだ。


少年が裸になった。


何かの術か?これで死ねる。


這い上がる死という恐怖を無理やり押し込める。


いや何もしてこない。


らちが明かない、固有魔法インビジブル、、、、


あ、魔力切れだ。


バタン。



バタン!!!

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