クレア姉さんの特訓
ここはクレアとチャクラバルティの自宅近くの公園である。
「チャック早速あなたの力を見せて」
「分かった! やってみるよ! うおおおおおお!!!!」 チョロロー!
チャクラバルティは力を右手首に集中するか水鉄砲のような水しかでない。小さく作られた水溜まりを目に溜息が出る。
「はぁ。学園に1年もいてこれじゃあなぁ。本当姉さんの才能とはほど遠いや」
クレアはチャクラバルティの手からでた水をペロリと舐める。
「少量しかでないのは経験不足・・・。ただ『粘度』が無いからクリームシチューどころか、透明なただの水になってしまっている」
「姉さん。実は『粘度』の事をよく知らないんだ。今までノリで言ってたけど」
「もう、チャックは勉強不足。でも好き。『粘度』とは能力者が液体系の能力において、発動した液体の硬さ。簡単に言えば水はサラサラだけどシチューはとろみがある」
「そうだね。確かにシチューは液体というよりドロドロだから固体に近いかも」
「そう。天才。流石私の弟。ノーベル賞。単純に固体は液体より強い。『粘度』が高ければ高いほど攻撃力がある。その分、操ったりするのが難しいから注意」
「もしかして姉さんも最初はシャバシャバのシチューだったの? 母さんが作るような」
「そう。誰でも最初はシャバシャバのシャバ僧から始まるもの。でも粘り強く諦めなければ立派なトロみになる。その内、なぜか具とかも入ってるようになる。きっとチャックだってなれる」
そう言うとクレアは手の平を上に向けると、バレーボール大のシチューの塊を作って見せた。彼女の肌のように白いシチューは綺麗な円形となり、彼女の手の上で浮いている。
まるでクレアが星を想像する女神の様にチャクラバルティには見えた。
「すごい・・・! 操るのが難しい粘度の高いシチューをここまで思いのままに!球体のクリームシチューなんてみたことないや!」
「だからお姉ちゃんは1位なのよ。弱点なんてないわ。さぁチャックこのシチューボールでフットサルでもやろう」