7 転生女王の誕生です
次の日の事です。
お姉さまがロミオさんと駆け落ちしてしまいました。
成功したようですね。
私は彼らがどこにいるかわかっていますが、お姉さまを探す、お姉さまの派閥の方々じゃあ見つけられないでしょうね。
すべて計画通りです。
お姉さまにはロミオさんに恋してもらいました。
そのための演出にはやはり運命的な出会いが一番なのです。
そのためにも賊に襲わせていただきました。
命の危機に助けられるというのはやはり運命的な出会いなのです。
それが幼いころに離れ離れになった好きだった人ならなおさら。
お姉さまがロミオさんにこの演出で惚れないはずがございません。
そしてロミオさんも幼いころからお姉さまに恋心を抱いていました。
まあ、国が亡んだり、旅をしたりで忘れてしまっていましたが、お姉さまに再会したことでその恋心は再び現れました。
後は、会う回数を重ねて、少し誘導してやれば終了です。
お互いの想いが最大限になったときに現実を突きつけてあげます。
となると、もう駆け落ちしかなくなるわけです。
ここに持っていくのに苦労しました。
破滅させるなりした方が簡単なのですがね。
まあ、お姉さまには幸せになっていただきたいですし。
ロミオさんにもお世話になりましたしね。
二人にはこれからは平穏に生きていただきましょう。
さて、お姉さまという神輿を失ったお姉さまの派閥は崩壊。
残るお兄様の派閥は我が世の春、とはいかず、ハーゲイ伯爵とその部下が抜けて大幅な弱体化となりました。
ここで私が舞台に上がります。
ガルウェン公爵を後ろ盾にハーゲイ伯爵やその他を味方につけて一気に一大勢力に。
そして、甘言と脅しでその他貴族を吸収します。
準備は整いました。
最後の仕上げといきましょう。
決戦の日は建国記念日。
王族や貴族は謁見の間に集められます。
全員が集まったところで私が登場し、玉座の目の前まで行きます。
「なんの真似だシスティーナ」
「今日からこの席は私のものです、今までお疲れ様でした。老害はとっとと席譲ってくださいな」
「とちくるったかシスティーナ。娘と言えども王である儂を侮辱した罪は重いぞ。衛兵この者を捕えよ!!」
お父様の合図とともに近づいてくる衛兵。
そして、お父様を掴みあげました。
「な!? 儂ではなくそこの娘だ!!」
「お父様、皆さんの意見を聞きましょう。私が王に相応しいかお父様が王に相応しいか」
「何を言っておる! 成人もしていない小娘が王に相応しいわけなかろう!!」
「では、私が王に相応しいと思う方、挙手をお願いします」
そして、お父様の目にはあり得ない光景が写りました。
その場にいたほとんどの方が手を挙げたのです。
王族や衛兵までもが。
「な、バカな。ありえん」
「ということでこの席は私の物です。衛兵、お父様を連れて行ってください。丁重にね」
これでうるさいのは消えました。
一部の王族や貴族はこんがらがっていますが、しょせんは一部です。
この場にいるほとんどの者が私を新たな女王と認めました。
様々な思惑がありますが。
「さて、新しい女王になったシスティーナです。今日は大事な建国の日。我ら王国は新たな一歩を踏み出すのです。そのためにも、粛清を始めます」
静まり、困惑し、騒ぎ出す会場。
ええ、今から始めるのは粛清。
国を腐らす元凶たちには死んでもらいます。
「静かに。悪いことをしていなければ何も起きませんよ。悪いことをしていなければですがね。ふふふ」
この日から私は悪魔の女王と呼ばれることになりますが、知ったことではありません。
全ては私とセレスが母のようにならないためです。
幸せになるためです。
たとえ悪魔と呼ばれようとも。
ふふふ。




