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【連載版】転生女王の真っ黒覇権  作者: 羽狛弓弦
第3章 私が神になるまで
32/44

29 さらばヤンホモ、君のことは忘れない

今回いつもの倍くらいあります。おまけもありますよん。

 さて、勇者一行とヤンホモさんを神樹の元に向かわせなければなりません。

 私の配下であるヤンホモさんはもちろん、勇者であるロミオさんも私と繋がっているため命令して向かわせることができます。

 しかし、命令するにしても目的を伝えないといけません。

 私の計画を知っているロミオさんはともかく、これから消えていただくヤンホモさんにはちゃんと偽の目的を伝えないといけません。

 まさか、これから勇者と戦って負けていただくだなんて伝える訳にはいきませんしね。

 それに彼は魔王軍を統括する魔将軍です。

 戦場でのトップが戦場から離れて神樹に行ってもらうにはそれ相応の理由が必要です。


 で、その理由ですが、勇者一行側には魔王を倒すためのアイテムの入手。

 ヤンホモさんにはその阻止および回収といたしましょうか。


 ロミオさんはともかく、セレスなど他のパーティメンバーには神樹に行く目的としてはこれが最適でしょう。

 反対されることなく必ず向かいます。

 なんせ、以前ロミオさんがセレスに伝えた魔王を倒して私を救い出すためのアイテムを入手しに行くのだから。


 そして、ヤンホモさんにはロミオさんたちが私にとって不利益になるアイテムを神樹に取りに行っている。そのアイテムの存在は大勢に知られるのはまずいので将軍みずから勇者より先に内密に回収して欲しいと命令します。

 これで十分です。

 もちろん勇者より先にと言っていますが、ロミオさんたちとばったり出くわすように時間を調整します。


 で、私の命令を受諾したヤンホモさんは神樹の元へ向かいました。

 そして私はヤンホモさんとロミオさんたちが来る前に転移で先回りし、神樹の元に向かいます。

 ヤンホモさんとロミオさんたちにしても目的のアイテムがなければこんなところに来る意味はありませんからね。

 しかし、残念ながら魔王を倒すためのアイテムなんて存在しないのですよ。

 だから作ってあげました。

 魔王ミツキを倒すためのアイテムを。

 見た目は手のひらサイズの宝玉ですね。

 我ながらいい仕事をしたと思います。


 これからヤンホモさんとロミオさんたちはこの宝玉を争って戦うわけですね。

 雰囲気は大事ですしその辺にポンと置いていくわけにはいきません。

 なので神樹の中の祭壇にでも置いておきましょう。

 まあ、元々燃えてしまっていたので祭壇と呼んでいいのかわからない場所になっていますが。

 未だに神聖な雰囲気を醸し出しているのでいかにもな場所になっているでしょう。

 という訳でここに宝玉を設置。

 後は出番があるまで城に戻って観戦です。


 ソファよし。

 お菓子よし。

 ジュースよし。

 これでばっちり観戦することが出来ます。


 私の観戦準備が整ったところでヤンホモさんが祭壇にやってきました。

 そして、目的のアイテムである宝玉を手に取ろうとしているところで後ろからロミオさんたち勇者一行がやってまいりました。

 入口は一つしかないのでここを脱出するにはヤンホモさんは戦って勝つしかありません。

 そして勇者一行に関しても絶対に宝玉を入手しないといけないので何としてでもここでヤンホモさんを倒して宝玉を奪わないといけません。


 という訳で戦闘開始です。


 ヤンホモさんですが、彼は将軍なだけあって部隊戦闘が本領です。

 しかし、個人的な戦闘能力に関してもかなりのものを持っています。

 それこそ下手な勇者よりも強いくらい。

 この私が女王としても魔王としても軍のトップに任命する人物ですよ。

 弱いわけございません。

 ヤンホモさんは心技体全てそろった最高の将軍なのです。

 まあ、あの性癖がなければですが。


 しかし、いくらそんなヤンホモさんであっても相手は勇者パーティ。

 しかも、ロミオさんにとってはここは加護の源である神樹の内部。

 ぶっちゃけヤンホモさんに勝ち目はありません。

 ロミオさんたちなら犠牲も無しに絶対に勝てると分かっているからここで戦ってもらっているのですよ。

 さらにハンデもありますしね。

 勇者パーティにはセレスがいます。

 もし、セレスと出くわしてもどんなことがあってもセレスは傷つけるなと言っていますからね。

 戦力的に負けている相手にそんなハンデがあって勝てる訳がございません。


 結果、ヤンホモさんは満身創痍になり、負けました。


「グハッ、こんなところで負ける訳にはいかない。陛下の期待に応えなければ」


 剣を杖にして立っているのがやっとの状態です。

 私はここでそんな彼の後ろに転移し剣で背中を貫きます。


「なっ、陛下」

「おつかいすらできないなんて。役立たず」


 そう言い放った後、私の攻撃がトドメとなって崩れ落ちたヤンホモさんを魔法で消しました。

 文字通りこの場から消しました。

 もう、彼はいません。


「魔王ミツキ!!」


 いきなりの魔王の出現に勇者パーティが動揺する中、セレスが私に敵意を向けてきます。

 その敵意は私、システィーナではなく魔王ミツキでありますが。

 やっぱりつらいです。

 けど、これは仕方のない事です。

 耐えましょう。

 セレスの方が辛いのですから。


「あら、セレスティーナ。そんなに怖い顔をするなんて。システィーナが悲しむわよ」

「あなたが! そんなことを言わないでください!!」

「ああ、怖い怖い。今にも攻撃してきそうね。私としてはここで戦ってもいいのだけども。そんな消耗した状態で私に勝てるのかしら?」


 いくら犠牲なくヤンホモさんに勝ったと言っても消耗していない訳ではありませんからね。

 今までの中でも一番の強敵と言ってもいいヤンホモさんと戦った彼らは当然かなり消耗しています。

 セレス自身は傷は負っていないと言ってもこのままでは勝てないと分かっています。

 それに宝玉がなければこのまま戦うことはシスティーナを傷つけることになりますからね。

 セレスはこの場で私にどれだけ敵意を持っていても決して私に攻撃してくることはありません。


「でも、そんな状態の勇者と戦っても面白くないわ。お城で待っていてあげる」


 そう言って側に落ちている宝玉を拾います。


「これはもらって行くわね。役立たずの代わりに回収しにきただけだから。それじゃあね」


 そして転移でこの場を後にしました。


 ロミオさんを除いた勇者パーティは宝玉を回収できなかったことを悔やんでいます。

 特にセレスが。

 魔王を倒すためのアイテムを回収しに来たのにそのアイテムを魔王自身に奪われてしまったから。


 しかし、収穫もございました。

 最後は魔王自身の手とはいえ、魔王軍を統括する魔将軍ハーゲイことヤンホモさんを倒したのですから。

 ヤンホモさんが倒され、消え去ったことで魔王軍は機能を失いつつあります。

 私の恐怖による支配は絶対であるため暴動こそほとんどなかったものの、侵略は停止してしまいました。

 ある意味、人側の初めての勝利でもありました。

 これは間違いなく勇者の功績です。

 最後の勇者は人類にとってやはり最後の希望であり光でした。

 ロミオさんこそ真の勇者なのです。

 人々はそう口にしました。

 口にはしないものの、魔王軍に侵略された人たちも心の中で勇者を応援しています。

 そう、人々は人類の裏切り者である魔将軍の敗北と勇者の勝利を心から喜んでいるのです。


 ふふふ。

 全て計画通りです。


 ロミオさんを真の勇者とする。

 この状況を作り出すことが重要なのです。

 なんせ、ロミオさんが勇者としての名声が上がれば上がるほどセレスの名声も上がるのですから。

 私の一連の行動でセレスを魔王に姉を奪われた悲劇の王女としましたが、後々セレスの立場を確固たるものにするためにもセレスの名声をさらに高めたいんですよね。

 なのでその作戦の一部として今回ヤンホモさんには消えていただきました。

 ヤンホモさんは魔王に魂を売った人類の裏切り者であり、魔王軍の恐怖の象徴でもありますからね。

 これを倒した勇者パーティの名声は爆上がりです。

 今まで四天王の一人を倒した勇者はいれど、魔王軍のトップを倒した勇者はいませんからね。

 ヤンホモさんを倒した彼らの名声は他の勇者とはくらべものにならないものとなりました。


 さらには勇者パーティに宝玉を認識させることもできました。

 これは私にとっての切り札となります。

 だからわざわざ私自ら作り出したんですよね。

 まあ、その辺は追々ですね。


 そしてヤンホモさんが消えてくれました。

 彼が消えたおかげで侵略をストップさせる口実を作ることができました。

 これで流れる血が少なくなるでしょう。

 本当は私が魔王になんて認定されなければこんなに血が流れる必要なんてなかったのですが。

 まあ、世界にとって人がどれだけ血を流そうが関係ないのですがね。

 それにしても本当に余計なことをしてくれましたね。

 今さらですが。

 それでもこれからは余計な死者が出ることも少なくなります。


 これも全てヤンホモさんが消えてくれたおかげです。

 本当に申し訳ございません。

 そしてありがとうございます。

 今まで私の力となってくれて。

 本当に感謝しています。

 こちらの身勝手で消してしまって申し訳ございません。

 せめてもの褒美は送りました。

 今までの忠義のお礼です。

 今までの事は忘れて一からやり直してください。


 さようならハーゲイ伯爵。




 ー▽ー

 おまけ。




 え、ヤンホモさんは死んでいないのかって?

 嫌ですね。

 私は一言も殺すなんて言ってないじゃないですか。

 消えていただいただけですよ。

 この大陸から。


 確かにあの時私はヤンホモさんを背中から剣で貫きました。

 しかし、ちゃんと致命傷は避けたんですよ。

 その後は転移させたんですよ。

 エフェクトを派手にしましたから消すように殺した風に見えたでしょうが。

 だから私はヤンホモさんを殺してはいません。

 性癖は特殊だし、私が手綱を握っていない限り危険人物となってしまうような人ですが、あれだけ私に尽くしていただきましたからね。

 絶対に殺す必要がないのなら私は殺しませんよ。

 それほど彼にはお世話になりましたからね。


 で、ヤンホモさんを転移させた先は別大陸のとある村です。

 私のいる大陸よりは文明は遅れていますが、自然にあふれた良いところです。

 私はそこにヤンホモさんを転移させました。


 血を流し、倒れ臥せっているヤンホモさんは村に倒れついた騎士様そのものです。

 そんなヤンホモさんを心優しい少年が拾い上げ看病しました。

 頑丈なヤンホモさんは少年の看病もあってみるみる回復させていきました。


 で、この少年ですが、ヤンホモさんの好みにドストライクだったりします。

 そんなヤンホモさんが献身的な看病をされました。

 愛する侯爵が壊れ、自身も壊れ始めてきたヤンホモさんにとってそれは涙が出るほど温かなものだったそうです。


 ちなみに、少年はちょっとそっちのけがあったりします。


 いやぁ、探し出すのに苦労しました。

 条件が限定されすぎていますからね。

 まあ、ヤンホモさんには本当にお世話になりましたからね。

 私からの褒美です。


 これからどうなるかはヤンホモさん次第です。

 私でなくとも予想できるような展開になると思いますが。


 まあ、ヤンホモさんがそちらでどれだけ大暴れしようがもはや私には関係のない事です。

 これからの人生、有意義にしてくださいな。


 これ以上見るのはやめておきましょうか。

 私の精神が持たない可能性がございます。

 って、うん?


 あ、ちょっと待ってください!

 手が早すぎますって!!

 私、そんなの見る趣味はございませんから!!

 あっ、あっ、ダメです!!

 あぅ、うそ。

 うわぁ。


 うぅ。

 最悪です。

 変なものを見せられました。

 何故か目が離せず閉じるのが遅れました。

 おのれヤンホモ。

 やはり殺しておくべきでしたでしょうか。





ヤンホモは永遠に不滅なり!!

おまけが本編って言われそう。

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