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【連載版】転生女王の真っ黒覇権  作者: 羽狛弓弦
第1章 私が女王になるまで
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2 不当な婚約破棄は許しません

「イザベラ・ガルウェン!! この場をもって貴様との婚約を破棄する!! そして新たにマリアベル・ベイオークとの婚約をここに宣言する!!」


 はい、きました!!

 婚約破棄宣言!!

 いやー、生きている間に実際に聞くことになるとは思いもしていませんでした。


「な、何故ですか!? わ、わたくしは婚約を破棄されるようなことは何も」

「知れたこと!! 貴様は公爵令嬢という身分を振りかざして愛するマリアにーーーーーーーーーーー」


 あー、はいはいテンプレテンプレ。

 いやー、聞くに堪えませんね。


 やれドレスを破ったとか、やれ階段から突き落として殺そうとしたとか。


 イザベラさんはそんなことしていませんよ。

 あ、イザベラさんって公爵の娘さんですよ。

 まったくこのお兄様は何を言っているのですかね。

 イザベラさんはとてもお兄様の事を想っているのに。


 マリアベルとかいうヒロインちゃんのこと知っても一時の気の迷いだと健気に待ち続けたのに。

 本当に見る目がないですね。


 あーあ、かわいそうなイザベラさん。

 今にも倒れそうじゃありませんか。

 まあ当然ですね。

 一途に慕って来た相手から嫌悪の視線が向けられて。

 その相手はほかの女を大事そうに抱えて。

 それどころかさらにその女を守るように騎士団長の息子とか自分の弟とかも舞台に上がって自分を非難する。


 1人の女の子に向かってなんてひどいことを。

 同じ女の子として味方をしてあげないといけませんね。


「お兄様、話は聞かせていただきました!!」


 バーンと扉をあけて会場に勢いよく入場します。

 そしてしっかりした足取りでイザベラさんの前に立ちます。


「なんだシスティーナ。今は大事な話をしているんだ。今すぐ帰れ!!」


 あ、システィーナというのは私の名前です。

 可愛らしい名前ですね。

 お母様が付けてくださったんですよ。

 ちなみに妹の名前はセレスティーナです。

 もう、セレスは名前も可愛いし、顔も可愛いんですよ。

 性格も本当に可愛くて全部可愛いです。


 と、今はそんなこと考えている場合じゃありませんね。


「そうはいきません。大勢の男性が一人の女性に寄ってたかって虐めるとは何事ですか!! 王侯貴族として、いえ、一人の人間として最低ですよ!!」


 ここでイザベラさん対して私は味方だとアピールしつつ彼らの印象を下げる。

 だって事実ですもん。

 問題ないですよね?


「な!? 貴様、兄に向かって何て事を」

「でも事実ですよね?」


 そしてそんなことを一度も言われたことがない頭パッパラパーなお兄様は私の言葉に対して綺麗なお顔を真っ赤に染める。

 まあ、甘やかされて育ってきましたしね。

 誰かさんの努力のおかげで暗殺も今までされませんでしたし。

 いろんな世界があるなんて知らないのでしょね。

 だからこそ俺様系なのでしょうが。


「黙れ!! いいかシスティーナ。イザベラはなーーーーーーー」


 あーはいはい。

 さっき聞きました。

 そこのヒロインちゃんを虐めたんですね。

 階段から突き落としたんですね。

 そんな女よりヒロインちゃん方がいいのですね。

 ヒロインちゃんはみんなに優しい聖女のような存在なのですね。


「わかったかシスティーナ」

「ええわかりました。お兄様方がこんなにも愚かだということが」

「なんだと!?」


 さて、ガルウェン公爵を手に入れて派閥争いに参加するためにもあなたには消えていただきますよお兄様♡


「だいたい、なんですかあなたは」


 懐から扇子を取り出してヒロインちゃんに向ける。


「わ、私!?」


 なにをそんなに驚いているのやら。


「あなた以外いませんよ。たかが男爵家の分際で王太子であるお兄様に近づいて、しかも婚約者がいるにもかかわらずお兄様を誘惑するとは。しかもお兄様だけには飽き足らず他の方々まで誘惑して傅かせる。知っていますよ。あなたのような人の事を淫乱というのでしたね」


 侮蔑の目を向けながらはっきりと言う。

 そのとたん、お兄様方から非難の嵐。

 いえいえ、事実を言ったまでです。


 マリアはそんな女じゃない?

 謝れ?

 ふふふ。

 誰に対してそんな口をきいているのですか?

 私は仮にも王女ですよ?

 お兄様以外不敬罪を適用しましょうか?

 まあ、私の権限は低すぎるのでそんなこと不可能でしょうが。


 さて、ここからさらに油に火を注いでいきます。

 ふふふ。

 皆さん顔が真っ赤ですよ。

 ゆで蛸みたいです。

 あ、たこ焼きが食べたくなってしまいました。


「もう我慢ならない!! お前今すぐマリアに謝りやがれ!!」


 案の定耐え切れなくなった一人が私に向かってきます。

 騎士団長の息子さんです。

 狙い通りです。

 彼が一番怒るように言いましたからね。


 騎士団長の息子なだけあって鍛えていますが、まだまだですね。

 動きが丸見えです。

 どう動くかも先読みすることなんて簡単だし、どうしたら相手が転ぶかなんて簡単です。

 最後の一歩を踏みだして私に触れようとする瞬間、足をかけます。

 完璧な角度とタイミングならこれだけで案外転ぶものですよ。


「お前? 誰に対しての物言いですか? それに王女である私に手をかけようとするなんて。衛兵、この者を捕えなさい」


 彼はあとで使いますからね。

 ここでひとまず退場していただきます。

 あ、この衛兵たち。

 私の手の者です。

 お仕事が早く、大変優秀なので流れるようにして騎士団長の息子さんをどこかに連れて行きました。

 お兄様が止める暇もないくらいに。


 続けざまに次のカードを切ります。

 予定より早くに来てしまいましたが、まあ、いいでしょう。

 間髪入れずに現れるのはガルウェン公爵。


「お父様」

「うむ。イザベラ、辛かったな」


 ガルウェン公爵はすぐさまイザベラさんの元まで行き優しく慰めます。

 イザベラさんをこのようにしたお兄様方に怒り心頭です。


「はい、でも、システィーナ様がわたくしに手を差し伸べてくださったのです」

「そうか。システィーナ王女殿下。ありがとうございます」

「いえ、一人の女性を複数人で虐めるなんて言語道断ですので。それに困っている臣下を助けるのは王族として当然のことです」

「まだ幼いのになんと立派な。このお礼は必ずいたします」

「ええ、楽しみにしていますね」


 はい、後はガルウェン公爵にお任せしましょう。

 彼に任せておけば安泰です。


 結論からいきますと、婚約は破棄とヒロインちゃんの確保でその場は解散ですね。

 ガルウェン公爵はイザベラさんの無実の証拠を完璧に披露しましたし。

 イザベラさんは恋は盲目状態から覚めたし、ヒロインちゃんは他国とつながったスパイだと分かり実家は没落。

 お兄様方は無事ですが、派閥の力はガルウェン公爵が抜けたことにより激減。

 この件の醜聞もありますし彼らは終わりですね。



 ふふふ。

 全て計画通りです。

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