記憶を無くした俺へ
初投稿です。
初めて書きました。
よろしくお願いします!!
ここは何処だろうか…。
漆黒の闇に小さな光が灯っている。
それは、俺の目の前でとても美しいエメラルドグリーンの光を放つ。
とても、とてもあたたかく懐かしい
俺は誰なんだろう…
「 私が教えてさしあげましょう。」
ふいに暗闇から聞こえたその声に俺の意識は吸い込まれていった。
目を開けると薄暗い部屋にいた。部屋の真ん中に小さなまるいテーブルと椅子がある。それ以外の家具は一切見当たらず出入り口もみつからず唯一外の見える窓から晴れているのに雪が降り桜が咲き向日葵の並ぶ異様な光景がのぞいている。
見覚えのない部屋に戸惑った。とりあえず、椅子に座ることにした。
「私がすべてを教えて差し上げます。」
また声が聞こえる。
その声の主が誰かとかここは何処だとかさっきまであったはずの疑問はその声に書き消されていった。
ここはそう、多分夢の中なのだ。
その声は俺を夢の世界へ誘った―――――
「ある日、魔王から次の魔王を決めるための試験の一貫として人間界で正体がばれることなく1ヶ月過ごすという試練が下ったのです。」
「この世界、魔界では男であれば誰にでも魔王になれる権利が存在ししかし、いくつもの試練を越えていかなければならず辞退するものも少なからずいたと聞いております。」
「しかし、彼はその試験諦めるということは決してしませんでした。深い意味などなくただいまの魔王が彼の父親だったからだと。詳しいことは今になってはわかりません。」
「父親をこえてゆきたかったのでしょうか…」
薄汚れた一冊の本が現れた。かなり古いもののようで色褪せており、ところどころ読めないのではと思う箇所がある。
それではどうぞお楽しみください――――
それっきり声が聞こえることはなくおとなしく本を読むことにした。
この本は恐らく彼の日記だろう。その日記は彼の自分自身に宛てたメッセージからはじまった。
記憶を無くした俺へ