8話 変化の輝き
魔獣退治がようやく終わったかと思いきや、クラスメイト三人、心沢凜花、川田友菜、木里秋矢にバレてしまい、おまけに魔力ガンガンに強そうな魔獣が現れる。
私はそんなに世界に嫌われすぎているのか…
と、思うほどだ。
だが、この魔獣は何かが違う。今は結構やばい状況かもしれない。
「やぁやぁあんた、私、魔獣退治初日で2回目なんだけどさ、少しぐらい休む時間をくれたっていいんじゃないのっ!!?」
希美は杖を握りしめ豪快に振ると火の魂が現れ魔獣へと向かう。魔獣は判断が遅れたのか攻撃が当たる。その光景を見ているシュナが呟く。
「希美さん、呪文を唱えてないのに魔法が使えた…成長が早すぎる…」
魔法は基本、呪文を唱えて使うヤツが多数存在する。その中でも呪文を唱えずに使える魔法は少数で、非常に難しい魔法なのだ。
「大人しく、持ち主の人間に帰れっ!!ステラ・グロウ!!」
黒い闇の風の攻撃が魔獣へと向かうが、当たらない。
「ねぇ、妖精さん」
凜花がシュナに声をかける。シュナは振り向き「ん?」と答える。
「立さんはなんであの怪物と戦っているの…?」
「あの子は、希美さんは、先日半死になったの…」
「「「え!?」」」
三人同じ反応をした。驚いた三人は一度希美を見てシュナへと視線を戻す。
「魔獣はね希美さんの半死の原因の1部なの…詳しい原因は分からないんだけど、多分希美さんは魔獣が人間と関わりがあったから余計戦う意思を強めたのかもしれない」
そんな会話をしているとも知らずに希美は戦い続けている。
「私は…私はっ!!お前らとは違う、人間じゃない!!お前らに私の気持ちが分かるわけ無いだろぉ!!輝きを求めて!!もっと、もっと強く!!」
希美は杖を二本に分裂させて、上へと上げてこう叫んだ。
「第二の変身モードォォォ!!」
すると希美の体が輝き、姿が変わってゆく。
和服要素が以前よりも多くなり、花飾りが2つになり、ベールに包まれ、頭にリボンも着いている。
その光景を見たシュナが驚いている。
「まさか…早くも第二に行くなんて…魔力が高まっている…っ」