4話 これからの道
それは小さな妖精だった。透き通った青色の輝く羽をもち、花とリボンの飾りをつけ、腰辺りまで伸びる緑色の長い髪の毛。白と水色のワンピースを着た妖精がこちらを見上げている。
「希美さん???」
不思議そうに希美の顔を覗き込む妖精"シュナ"。やっと我に帰る希美は「大丈夫」とシュナに声をかける。
「それで、これからどうすればいいの?」
「今日は魔獣の出る確率はありませんし、どんな魔法や能力があるかぐらいは説明しておきますね。」
片目を閉じ、ウインクをするシュナに希美は首を縦に振り了承する。
「ではまず魔法の種類です。あるのは攻撃魔法、その他の場面で使う魔法、様々な種類があります。」
「呪文とかってあるんでしょ?呪文知らないんだけど…どうすればいいの?」
「はい。そこは問題ありません自動的に呪文など起動する手順など頭に入っています。」
「攻撃魔法でも様々です。火、水、土、草、風、陰、光、妖、と様々…計約十種。」
シュナは羽を動かし、希美の肩に移動しながら説明する。
「その他は?」
「その他は、瞬間移動や、物を動かす、常識的魔法、などなど。」
ーー常識…???
そんな疑問を持ちながら説明が続く。
こんな説明は丸一日かかった。せっかくの休日だったのに…次の日学校だし…希美はつくづくそう思う。
翌日…
また小鳥のさえずりが聞こえる。カーテンの隙間から差し込む太陽の光が顔にあたる。セットした目覚ましが鳴り響き、その音で希美は起きる。
「ーーんぁ…もう朝か…昨日一日無駄した。それにしても眠い。」
あくびをして布団から出る希美。
「希美さん。おはようございます。今日は魔獣の出る確率が高いです。気をつけて過ごしましょう。」
「分かってる。」
さぁ、これから戦いの幕開けだ。