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兆候の獄

呼気と吸気

作者:

 歯車は廻っている。一分、一秒と時を刻んで。それさえあれば時計などいらぬ、そう云いたくなるほど利口だ。


 私はいつも「彼ら」と共に暮らしている。それは金古美の歯車であったり、錆びれたボイラーであったり、と。

「彼ら」は音という名の呼吸を行う。

「彼ら」は仕事という名の運動を行う。

 熱を持ち、動きを止めれば冷却する。まるで人間を見ているかのようで面白い。


 私が「彼ら」に惹かれたのはどうしてだろうといつも考えていた。

 しかし答えはかなり身近な所に転がっていたのだと、最近になって解った。

 私は週に二度、自らの腕に生物学的製剤を注入する。「彼ら」に定期的に油をさす必要があるように。


「彼ら」とは違い、私の身体が機能を取り戻すことはないのだが。


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