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遅くなってすみません。


 あれから私は狩場を移動しようと思った。というのも、そろそろスキルの上がり具合いが芳しく無いのだ。

 ウサギは行きと帰りで狩ればいいだろう。


 スキル確認っと。


 詠唱破棄、疾風Ⅳ、治癒、状態異常回復、火魔法Ⅰ、風魔法Ⅴ、水魔法Ⅳ、土魔法Ⅰ、魔力増大Ⅱ、魔力回復速度上昇Ⅰ


 むふん。魔力増大って、スキルレベルあったんだね。


 さてじゃあ早速。

 目の前にある森へと行こうかな。


 私は屋台で買ったサンドイッチを食べながらウサギを蹴散らしていく。

 黙々と食べ終わると森は目の前だった。


「行くか」


 鬱蒼とした森のなかを慎重に歩いて行く。

 時折顔に当たりそうな枝は避け、周りの音に耳を凝らす。


 ガサガサ


「!!」


 ビクリと体を震わせ、音のした方を見ると、茶色い狐がそこにはいた。

 よく見ると怪我をしているようだ。


「ヒール」


 初めて使う治癒魔法だが、効果は覿面だった。

 狐は痛みがないことに不思議に思ったのかはしらないが、血の出ている毛皮をペロペロと舐めると、一目散に走っていった。


 狐にほっこりしていると、地を走る音がする。

 狐が飛び出してきた方向だ。


 身構えていると、全身緑色をした狼がよだれを垂らしながら飛び出してきた!


「っウォーターボール!」

「ぎゃん!」


 運良く顔面を捉えられたが、倒すまでには行っていないようだ。

 もう一度呪文を唱えて首の骨を折る。

 狼は素材となってインベントリに吸い込まれていく。

 

「ふう」


 一息つく。


 あのスキルレベルで2撃か……。


 そう思っていると、次々に飛び出してきた狼に囲まれてしまった。


「うそ! にげなきゃ……」


 だが、2メートルはあるだろう狼達は徐々に隙間を詰めてくる。


「戦うしかない、か。死に戻りは嫌だなー。インベントリの中身ぶちまけるし」


 まずは、と。


「アースニードル!」


 狼の足を貫くようにして魔法を放つ。地面から出てきた針は見事に狼の前足を貫いた。


「がおおおおぉぉぉおおん!」


 雄叫びを上げた狼達は、抜群のチームワークで私を攻め立てる。


 うわ、これ死に戻るかも。


「まあ、抵抗はさせてもらうけど! アースボール!」


 前足を貫いている狼の地面から、顎に向かって勢いよく魔法が飛び出す。

 ボキリという音を発してインベントリに収まる。


 収まりきる前に疾風で開いた道を駆け抜ける。

 左右から来る噛み付きにはスライディングで対処して、とにかく森のなかをひた走る。

 追いかけてくる狼。


「気配察知とっとけばよかった!!」


 ソロの私は毎回気配察知は取っていた。

 何故今回取らなかったかというと、いつものゲームはレーダーのように頭のなかに表示されるのだが、今回は先方が「こう、もやっ、っていうか、第六感的な感じ?」と言っていたから取らなかったのだ。


 十分走ったところでスタミナが切れ、その場に倒れたくなるが、離したとはいえ追ってくる狼に対処しなければいけないだろう。


 深呼吸してスタミナを回復させる。


 …………来た。


 一匹の狼が藪を飛び越えてこちらに来る。


「ウォーターボール! ウォーターボール!」


 顔面に一発当てて、すぐに側面に移動し、近距離で威力の上がっている魔法をぶつけるとインベントリ行きとなる狼。


「よし! 一匹ならなんとかなりそう!」


 しかし次に飛び出してきたのは2匹だった。


「うわ」


 だが、二匹の足元にアースニードルを出して食い止め、アースボールで首の骨を折る。

 こうして二匹ともインベントリに収めたところで、狼達の追撃はなくなった。

 もちろん、その後も暫くは目前の藪を睨みつけていたのだが……。


「はあー。もう帰ろ。私に森はまだ早かったのかな」


 その後、確りと警戒しながら森のなかを歩いていると、前方に光の指す場所が見えた。


 あれ? まさか、ボス前の安全地帯? はは、まさかね。


「とりあえず行ってみるかな」


 草木をかき分けてそこへ行くと、たくさんの狐と10mはある九尾の狐がいた。


 ……。


 れ、れ、レアモンスター!!

 でも大きくてあんまり可愛くない……。

 と、とりあえず、契約してみよう。


 私は九尾の狐との距離を図りながら近づいた。


「あの、契約して欲しいんですけど」

『……断る。だが、感謝はしている。私の眷属を助けてくれたようだからの』


 喋った!


「……怪我をしていた狐さん、ですか?」

『そうだ。だが、お前は私の契約者に相応しくない。ここでくつろぐことは許可するが、契約はできん』

「…………わかりました。ではゆっくりくつろぐことにします」

『そうしてくれ』


 私は断られたことが残念に思いながらも、どこかホッとしていた。

 よくよく考えれば契約数は6匹まで。それを序盤のレアモンスターで埋めるのはいかがなものかとゲーマー的にそう思った。


 私が草原に座り、う~んと伸びをすると、一匹の狐が近づいてきた。

 狐は私の足を踏み台にして肩へ登ると、頬をペロペロと舐めた。


「もしかして、あの時の……?」

『そうだな、感謝をしているようだ』

「そっか。気にしてないよ」


 そう言って私は狐をゆっくりとなでた。


寒くて書けなかったので、1話だけですが……。

寒くない日にポチポチ書くので見捨てないでいただけたらうれしいです。

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