やんちゃもほどほどに
藍哉が紫龍たちと出逢い謙棲の家で暮らすようになってから約7年たった
謙棲も10才になり藍哉も17才となった
体が小さく少し可愛いげのあった少年が今はマジでムカつく餓鬼になったが、口がさけても言わない。言ってもいいが自分の印象が変わるのがめんどうだった
そして今日も藍哉は営業スマイルをふり撒いて生活をしているのであった
「謙棲様!!お待ちください」
藍哉は自分の部屋で執事としての仕事を完璧にこなしていた。こなしてはいたが…
下から騒がしい声、音が聞こえて不機嫌に舌打ちをしペンまでも折ってしまい仕方なく下に降りて見れば地獄絵図が広がっていた
食器などが哀れな姿で散乱していたりたまに人までもが倒れていた
呆れ返ってしまったが、一応仕事といて
「何をやっているのです?」
平常心を保ちながら藍哉は謙棲に怯えていた召し使いの女性たちに聞いてみると涙目で謙棲が暴れまわっていると教えてもらった
藍哉は頭が痛そうに押さえた後、私が行ってきますと出ていった
「…さて、どうやるかあの餓鬼…屋根にでも上がって見るか。小っさいのでも分かるだろうからな」
そう言うと跳びながら屋根の上にいった
上から庭を見回すとまだ走り回る召し使いとそれを面白そうに前を走る謙棲を発見した
藍哉はため息をつきそこから飛び降り謙棲の前に降り立った
普通の人間だったらあんな所に簡単に登り簡単に降りれないだろう。いや、普通は死ぬが藍哉は大丈夫なので普通に落ちるようにやってきた
「謙哉様、お遊びはそこら辺にしましょう。お部屋にお茶の準備しますから」
上から降ってきたことを感じさせない笑顔で屋敷の中に入れると後ろを向き
「私をなめないで下さいね」
それだけ言って笑顔で中へ入っていった
すると唖然と見ていた召し使いの一人が
「そう言えば伝説の戦闘部族の生き残りだったな…いつも一緒にいるから忘れてた」
まぁ、そんな日もよくある平和な一日だった…
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おまけ
藍哉は調理場で紅茶似合うケーキを作っていた
調理場には召し使いを入れないようにしている。その理由は?
「ったく謙哉のやろう世話かけやがっていい加減大人しくなったらどうなんだよ!」
あームカついてきたと言い雑にケーキを作っていく
そう、本性を現すから誰も中に入れないのである
そして完成仕掛かったところで
「そうだ、もうすぐ学問や武術教えてもいい頃だよな?明日、紫龍な聞いてみるか」
悪魔のような笑顔でケーキをカットし謙棲の元へ持っていった
なにも知らない謙棲はいつものように美味しそうに頬張った
明日から地獄が始まるとは知らないで