永久の主君との出逢い
紫龍につれられ三男のもとに向かう藍哉
「藍哉よ、三男の名前は謙棲アキスと言うんだ。中に入って名前を呼んでやってくれ」
部屋の前につくとそんなことを言われはい、と短く返事をした。
服も高貴な貴族の服に変えられた、今では女と言えば通じる感じなのである
そして中に入ると、五人の男子がいた。
多分紫龍の息子だろうと思う三人の子供は椅子に座りその横に立っているのが執事たちだろ
「初めまして、今日から謙棲様の執事として来ました藍哉・志那鴿です。よろしくお願いします」
深く頭を下げると驚きの声が聞こえた
多分、謙棲以外の者だろう
すると、藍哉は真ん中に座っている。少し驚いたような顔をした謙棲に近より膝を折り謙棲の右腕を取った
「私が命を懸けてあなたを守りましょう」
目を合わせて言うとさっきまで不安げに藍哉を見ていた謙棲がふと微笑んだ
それを見て驚いていた他の執事が自己紹介をしていった
「こちらの方が長男の馳賢チサ様。敦煌様の後を継ぐお方で私は黎司レイジ・誇霖コリンと言います」
嫌みの効いた言い方に藍哉は少し眉を潜めたが笑顔で聞き流した
「初めまして、次男嘩緒羅カオラ様にお仕えしております。緋蘇那ヒスナ・諏佐兜スサトと申します」
こちらは嫌みがない言い方と諏佐兜と言う苗字に敏感に反応した
諏佐兜家と言えば伝説の志那鴿家の次に強い戦闘部族。志那鴿家には負けるが普通のものには負けない力を持っている。しかし、こちらも滅んだと聞いていた
「馳賢様、嘩緒羅様。お初にお目にかかれて光栄です」
頭を深く下げあげると邪魔物でも見るような目で見てくる黎司と仲間を見つけたと言う感じで見てくる緋蘇那
これから上手くやっていけるのであろうか…
ふと、藍哉が思い出したように紫龍を見て
「謙棲様のすべてを私にやらせてくれないでしょうか?」
紫龍に微笑みながら言ってくることに黎司も緋蘇那も驚いていたが
「お前には全てを任す。説教も許可する、自分の弟のように育ててくれ」
紫龍も笑顔で全てを任してくれた。その事に黎司はまた怨むように藍哉を見、馳賢と嘩緒羅も驚いた様子で父、紫龍を見ていた
「分かりました今晩から私が作りましょう」
微笑みながら敦煌を見
「さぁ、謙棲様。お部屋へ向かいましょう」
他のものには失礼しますと言いその部屋から出ていった
しかし、黎司の邪魔物でも見るような目は直っていなかった
こんな出来事が後に紫龍たちに悲劇を催すことになる…