藍哉の出来事~前編~
三日後藍哉は目を覚ました
それから藍哉は今までのことを話した・・・
黎司が逃走を追いかけ地下街へと向かった藍哉
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藍哉は地下街を歩いていたが途中から追いかけて来るような気配がして藍哉は高い建物の上に登り辺りを一周見るが、元気そうに動く者なんて目に入らなかった。
それから、そのまま気配のほうへ向かって行くが嘘のようにどんどん気配が消えていく
藍哉は無我夢中で気配のほうに走ったが、途中で罠であることに感づいて引き戻そうとしたとき、後ろから何者かに手を拘束され目を隠され地に倒された
何が起こったかわからないが数名に押さえ込まれているのは分かった
背中に馬乗りしている男にそれを囲んでいる数名の人間
「くっそ!!てめぇら誰だ!放しやがれ!!!」
暴れようとするがなぜかびくともしない。悔しく口を固く閉じていたが急に顔を思いっきり蹴られた衝動により口が開かれた瞬間猿轡で喋れないようし、その上からもう一度布で口を塞がれた
それから仰向けにされ腹を体重まかせに踏んできて流石の藍哉でも気を失ってしまった
気失ってしまった藍哉は目覚めると、どこからか上から手を縛られていた目隠しだけ取られており、口は塞がれたまま
辺りを見回すと先程と同じ気配の男たち数名と一番小さい男が一人その後ろの柱に黎司がいた
「あ、目を覚ましたみたいだよ。そこの君、猿轡をとってあげて」
少年は笑顔で指示を出した
藍哉は驚いていて声も出せない。なにせその少年も部下たちも両目が赤いからである。
ある貴殿書に書かれている夢物語のような話
志那鴿家と誇霖家の間に生まれし子供、志鳥榛はこの世最強であり志那鴿家でも敵うか分からない。そう書かれていたはずだが…
まさか本当に子孫がいるなんて藍哉は信じたくなかった
「私になんのご用ですか?志鳥家」
藍哉がにらみながら聞くと
少年は笑いだした。狂ったように…
「いやいや、志那鴿家様が生きていると聞いてね?その美貌は完璧志那鴿家の特徴だ!」
玩具でも手にはいった子供のように藍哉の顔を触りまくる少年
右目はどうかな?と、少年の手が前髪を上げようとした瞬間藍哉は首を振って右目を見せようとしない
「私は知らない!!志那鴿家は滅んだはずだ諏佐兜家も!あと残っているのは志鳥家だけだ!」
藍哉は否定をするが少年はずっと微笑んだままだ
薄気味悪い、まるで見透かされているようで。
黎司の方を見ると少年に怯えているようであった
「冗談は止めてよ~僕が分からないわけないじゃない、千年以上も君を待ってたんだから」
その言葉の意味が全く理解できなかった千年以上もなぜ自分を待つのか。それに人間は百年以上も生きれるはずがないし見た目だってあり得ない
「あれ、覚えてないの?今から1379年前君の魂は僕と会ってるんだよ?志那鴿家四代目として君は亜鶴莎・志那鴿として生まれた僕と二つ下の女の子でね?「黙れ!!!!!!」お~と恐いね~そんな目で見れると興奮しちゃうじゃん」
少年はそんなことをいいながら太股の付け根を触って来た
藍哉は顔を真っ青にし体を少し引いたが押さえ込まれる
「っ~この変態!!止めろ!!放せ!!」
足をバタつかせて抵抗しても足を押さえ込まれ抵抗できない
もう何なのか全く分からない
ただ誰か助けてほしい
そんなことを思い目を閉じようとしたとき急に声が聞こえた
「幻、誇霖様が呼んでいるぞ」
左手に刀を持った男性が藍哉の上に乗っていた少年、幻に声をかけた
いや、藍哉が驚いていたのはそこではない誇霖と言う名で驚いた
紫龍が滅ぼしたはずである
幻はふと自分が乗っている下の男が大人しいことに気付く
すると微笑み
「少し待っててね」
と、男たちを連れてその部屋から出て行った
しかし、幻を呼びに来た男だけは出て行かなかった。黎司も柱の陰にいるままだった
その場が無言のままいると藍哉が
「・・・なぜ、馳紗様を殺した?・・・お前を信じていた馳紗様をなぜ殺したんだ!!」
さっきまで大人しかった藍哉が暴れだし手を縛っていた縄を破った
男性は驚いて刀を抜こうとしたが、その様子をずっと監視していたように幻や男性たちがこちらに拍手してきた
藍哉は縛られていた柱にもたれかかり幻の隣にいる偉そうな男を睨み付けた
「・・・あんたが、誇霖様って言う奴か。俺になんかようか?俺はあんたの息子を殺すためにわざわざ地下街にきたんだぞ?」
藍哉は縛られ縄の跡がくっきりとついた手首をさすっていた
幻が右目見せてくれる?と
交換条件として黎司を殺すことを許可したら見せると言うと誇霖は黎司を前に差し出した
すると藍哉は眉間にシワを寄せ
「…ちっ!俺を馬鹿にしてるのか?俺は普通の人間じゃねぇ闘いたくってしょうがねぇ戦闘部族なんだぞ」
幻が誇霖の耳元で何かを話、それから藍哉は幻に連れられ戦闘場へ向かった