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海老怪談  作者: 海老
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後日談

 後日談



 先日、「空地」の話を書いた二日後のことである。


 筆者は電車通勤である。

 ミナミで一杯ひっかけた帰りの電車内でのことだ。


 向かいの席に若いカップル。

 両方とも派手目だ。

 デートなのかべったりとくっついている。

 筆者は本を読んでいた。

 女がちらちらとこちらを見ていて、不意に口を開く。

「あそこ、ハチがいる。怖い」

 男も指差すほうを見るが、何やら困惑顔。

 笑いながら女の目の前で手を交差させる男。俗に言う「見えてますかー?」だ。冗談か見間違いだとでも思ったのだろう。

 女、こっちを、正確には筆者の頭の上あたりを見ている。

「ハチ、怖い」

 男は何言ってんだコイツ、という顔から周りの視線を気にし始める。

「なんもせんかったら刺さへんから」

 と、あまり騒がないように釘を刺す。

 女は持っていた紙袋で目から下をガードして、筆者の頭の上あたりを見ている。

 本当に虫がいるのかと不安になる。

 男、少し不機嫌になって小声で「大丈夫やから」と言う。

 筆者は無視している風を装って本を読むが、近くに蟲でもいるのかと辺りを伺うが、何もいない。

 目的地の駅まであと三駅ほど。

 女、顔が青ざめて別の座席へ走る。追いかける男。

 向かいにカップルがいなくなりハチとやらを捜してみるも何もいない。

 駅に着き降りる。

 改札で先ほどのカップルがいる。

「ハチなんかおらんやん」

「前の人のとこグルグル回ってたけど、ハチやなかった」

 会話は続いていたが、尿意を催してトイレに走った。

 用を足して、帰る。

 羽音が聞こえるような気がして、ひどく厭な気持ちになった。


後日談。

今から怪談にお出かけ。

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