39.ランチとパスタ(1)
相談にならない相談の後、天馬を交えて三人で会おうと密談がなされた。
もちろん、そんなこととは知らない天馬は、実香の
「友達が天馬に会いたいというの。お願い、一緒に行ってくれる?」
という言葉に快く応じたのだった。
「ねぇ、天馬。夜と昼、どっちがいい?」
「そうだな。昼間会って、そのまま夜はのんびりと二人で時間を使うのはどう?」
「いいけど、どこに行くの?」
「そうだなぁ。近くの公園で散歩する?」
「夜の散歩かぁ、それもいいけど」
「じゃぁ、映画を見に行く?」
「お金かかるよ」
「そうだね。じゃ、やっぱりアパートでのんびりする?」
結局そこに落ち着くのは分かっているのだが、一応計画を聞きたくなる。
というのも、天馬との関係が近いものになってから、彼のアパートへは頻繁に行くようになっている。
だからこそ、たまにはどこかに行きたいと思うのも女性としては仕方がないように思う。
そこで、天馬の計画を聞くのだが、結局いつも同じなのだ。
お金がないのだから、でかけられないという現状は理解しているつもりの実香だが、さすがに、たまには変化が欲しい。
欲しいが、どうにもならない。
「そうね。じゃあ、お散歩して疲れたらアパートにもどろうか」
となる。
(昔なら、こんな単調なデート、許せなかったなぁ。デートって、もっといろんなところに行って、いろんな楽しいことをするものだと思っていたもんなぁ)
天馬と出会って、デートという行動が変わってきた。
一緒にいられるだけで幸せを感じられるのだ。
それこそが、本当のデートなのかもしれないと、実香は思うようになってきていた。
(でも、でもね。やっぱり、納得いかないよね。なんで、アパートに二人きりなのに、何もないんだ? おかしいじゃん!)
どこまでも肉食系の実香さんだ。




