表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/73

37.草食系か? ホモか?(1)

 その日を境に、二人の関係が急速に狭まったように感じた。


 ただし、感じただけで何も変わっていないのが現実なのだ。

 

 デートの日取りは実香が先に言わない限り、天馬から会いたいとは言ってこなかった。


 そのことについて問いただしてみると、




「迷惑になったらいけないからね」




 とくる。好きな人と会うことで、迷惑などあろうはずもないのだが、彼はそう考える変人のようだ。


 また、デートを重ねても唇を重ねることがない。


 手を合わせることすらないのだ。


 今時の小学生だって、お手てつないでチューくらいするだろうと実香さんは思う。


 結局、実香が積極的にでて手をつないだのだが、後日「本当は、ずっと手をつないで歩きたかった」と言われ、大笑いしたのだ。




「それなら、もっと早くに言ってくれたらいいのに」


「でもね、そんなこと言ったら嫌われるかなって思ったんだよ。ごめんね、積極的になれなくて」




 実香はこの時も、(そういう人なんだな)と再認識したのだった。


 そして、微妙な甘い雰囲気になった時も、雰囲気で終わってしまう、という世界七不思議。




(健全な男子なら、いい加減やりたいって思うじゃない!)




 いつだったか、連に言われた「草食系男子」という言葉が浮かぶ。




(草食系男子って、結局なんなわけ?)




 どうしても思い浮かぶのは、大学時代から先、二六歳までに付き合ってきた男たちだ。


 どの(ひと)も積極的で、男であることをアピールするようにムードが高まったところで、そのチャンスを逃がしたりはしなかった。


 また、そこまでムードがよくなれば、実香としても拒む要素は、よっぽどでない限りないのだが。


 それなのに、どうしてなのか天馬は何も仕掛けてこないのだ。




「これって、どういうことだと思う?」




 焼肉の鉄板を前に、実香は菜都芽に相談中だ。




「どういうって……カルビ頼もうよ」




 焼肉をエサに誘ったのが実香ということで、今夜は実香のおごりなのだ。




「頼むのはいいけど、相談の回答は出してよね」


「大丈夫よ~。泥舟に乗ったつもりでいていいから」


「泥舟じゃ沈むじゃない!」


「すませーん、カルビ三人前!」


「あのねぇー」




 毎度のことだが、おごりとなると容赦がない。


お互いさまなのだが。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ