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第一話 僕とタロの話

はじめまして、四季花です。初めてのコメデイーですが頑張ります。

この小説は基本はハムスター視点で話が進みます。今回はちょっと汚いので食事中の方はご注意を。

僕の名前はビン。

性別、オス。好きな食べ物、もやし。苦手な食べ物、特になし。

嫌いというかそもそも体が受け付けないほど嫌いなもの、主人の作ったお菓子。

家族構成、両親二匹に兄弟が僕を入れて八匹。プラス叔父一匹。

住所、主に小屋。

そして趣味は…小屋からの脱走です!!




と、いう訳で脱走してみました、はい。

今日一日、僕の飼い主が家にいないようなので脱走してもばれることはない!

まぁ、気を付けることと言ったらむやみやたらと道の真ん中を走って飼い主のお母さんに見つからないことと飼い主のお父さんが寝ている布団(僕たちハムスター業界でいうところの敷き藁)に入らないこと。なんでも僕のお父さんが昔、好奇心に刺激されて入ってみたところ、変な音がしたと思ったら急に息ができなくなったことがあるんだって。それ以来、お父さんは布団には一切近づかない。でも、布団に近づかないと、この家にはほぼ毎日布団が敷きっぱなしだから、行動範囲が非常に狭くなる。そのぶん、見つかりやすくなるということだ。

でも、僕はそんな臆病者じゃない。今日こそ、あの布団の中を突っ切って窓のそばにあるという伝説の別荘に行ってやるんだ!


「で、結果は?」

「ダメでした」

「だろうね」


あのあと、不可解な現象に逢って気絶してしまった僕は、飼い主に発見され、小屋へと連行された。お昼ご飯抜きの罰を受けて、しょんぼりしていたところをタロに発見され、慰めてもらっていた。


「あそこは恐ろしいね…布団を出ようとした瞬間、変な音がしたと思ったら、いきなり強烈な匂いがして、息ができなくなって気絶してしまったんだ。あの現象は一体何なんだろう」

「そのことについて話してあげてもいいんだけど、それはこれを読んでいる読者にも君にとっても嫌な話だろうから、やめておくよ」

「!タロはこの家のハムスターたちの間で【終末の音】と呼ばれているものの正体がなんなのか知っているの?」

「うん。あの現象は僕たち主人の種族の間でも恐れられているものの一つさ。そして【終末の音】が起こってしまったが最後、起こしてしまった張本人はしばらくの間、周りの人間から忌むべき存在として扱われてしまうという…でも、音とにおいの効果が薄ければ、そこまでのことは起こらないとコロ次郎叔父さんは言っていたけどね」

「飼い主たちはそんな恐ろしい環境の中で生きているのか…僕には到底真似できないよ」

「ところで君はどうしてあんなところに行ったんだい。あの布団の先には何もないだろう?」

「いやぁ、つい最近まろが話しているのを聞いたんだ。なんでもあの布団の先に行くと、そこには先代のハムスターたちが残した伝説の別荘があって、そこにはヒマワリの種がたくさん遺してあるらしいんだ。是非ともそれが食べたいなと思って」

「!そうか、ビンはあのウソのウワサを聞いたのか」

「!ウソってどういうこと?」

「あのウワサを流したのは僕なんだ。仕返しの為とはいえ、君には悪いことをしてしまったね」

「…(なんか、聞いちゃいけないことの気がする)」

「実は先日、僕の別荘にためておいたヒマワリの種やクッキーを全部ブーちゃんに食べられたんだ。だから、ちょっとした仕返しのつもりだったんだけど、まさか、他の子も巻き込んでしまうなんて…」

「……(あれがちょっとした(・・・・・・・・・・)仕返し!?)」

「仕返しの為とはいえ、ビンには悪いことをしてしまったね。お詫びといってはなんだけど、先日、僕の飼い主からもらったクッキーでも食べないかい?」

「い、いやいやいや、え、遠慮しておく!!」

「そうかい。クッキーとてもおいしかったのに、残念だよ」

「そ、それはそうと、タロ」

「なんだい?」

「なにもヒマワリの種の為にブーちゃんを【終末の音】にけしかけなくてもよかったんじゃないかなぁ…」

「やっぱりそう思うのかい!」

「(ホッ)」

「【終末の音】程度の仕返しじゃ足りないってやっぱり思うよね!せめて次は【眠れる猛獣の巣】にでもブーちゃんを突き落そうと思って―――――」

「タ、タロ!!早くしないとタロの飼い主が戻ってくるんじゃないかなぁ!」

「あっ、もうそんな時間かい?それなら早く小屋に戻って飼い主に夕飯前のおやつをハムスター特有のキラキラおめめでねだらないとね。まったく人間ってやつは、僕たちの目が特にかわいいって言うけど、どのハムスターも目なんて真っ黒でとても不気味じゃないか。そんな目がかわいいなんてまったく、わけがわからないよ」

「なんだか最後のセリフはどこかのマスコットキャラクターが先に言ってた気がするけど、僕も、もうそろそろ帰るよ」

「また夜にね」

「おやすみ」

「明日の朝、ブーちゃんがどうなっているか楽しみだなぁ♪……」

「…(どうしよう。タロのヒマワリの種を食べたのは実は僕なんです、とか絶対言えない)」






朝、起きたらブーちゃんがお父さんの布団の横で気絶していた。

 [by飼い主談]



一話目からこんなんですみません。ですが、毎回こんな感じです。

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