正しく戦利品として妻になった王女の話
「何故、私が来たかでございますか?」
はい、私がご存じの通り。側妃の娘、第二王女でございます。
不幸にも貴国と戦争状態になり。
我が王国は同盟国と戦列を共にし戦いましたが、負け続け。講和をすることになりました。
ですから私が。
「フラン王国の代表として参ったのです」
「余の問いはそうではない。だから見目麗しいご令嬢がこの戦場に講和の代表者として来たのか?」
「まあ、見目麗しい・・・ゴホン」
はい、父はまだフラン王国が大国だと思っているのです。
新興のギルダー王国に頭が下げるのを嫌がっているのです。
重臣達と会議を重ね。父は結論を出しました。
『そうだ。ギルダー国王に姫をやろう。無賠償・無割譲、それが講和の条件だ』
ええ、お義姉様は当然嫌がります。義妹達も嫌がり。
『そうだ。側妃の娘と成り上がりのギルダー王国、釣り合いが採れる。フランソワーズを呼べ』
私はこのとき、ギルダー王国から王都を守るための婦人会に参加していました。
『な、何だ。そのドレスは!』
『お父様が着ろと申したのではないですか?』
私付の女官が持って来たドレスは灰色のみすぼらしいドレスでした。
『フランソワーズ、その身をもって講和の条件とせよ。ドレスは結婚式を思わせる白を着ていけ!』
『はい、お父様・・・』
こうして、水路と馬車を使いフラン代表団として参りました。
・・・・・・・・・・・・・
私の口上が終わると、ギルダー国王は疲れたような顔がした。
連戦連勝、負け知らず。狂王、戦争王とあだ名されているが、
まるで疲れたおじ様のようにくたびれている。つい最近まで戦場にいたのよね。
さすがに、軍服はアイロンかけをされているが・・・
ギルダー国王は重い口を開いた。
「・・・フラン王国第二王女よ。良く来た。だが、いらん」
心の中で『ですよねー』とまるで街のマダムのように相づちをうった。
「だが、ここに来たことは称賛に値する。何か不自由はないか?欲しい物があったら取り寄せよう」
「はい、それではアギト、クルウの都市を頂きたいですわ」
アギト、クルウ、ギルダー軍に占領された都市だわ。
笑って頂けるかしら。
「・・・・・・」
無視された。
その後、同じく講和に来た各国大使と歓談して。
ギルダー国王も交えて晩餐会を開き。和やかに歓談したが・・・
我が王国に下された講和の条件は・・・
「フラン王国の領土の半分をもらい受けたい」
ギャフンと言うしかなかった。
多分、口を開けば『アワワワワー』と泡を吹いていたと思う。
「王都ももらうぞ」
これだ、くたびれたおじ様のようでいて抜け目はない。
「ですが、ギルダー国王、貴国には得にはなりません」
「何故だ?」
「失礼ながら・・・・・」
貴国は確かに強いですわ。しかし、そのうち、目的が手段に成り代わっています。
貴族、民達は利を忘れ。ただ、勝利のみを欲しております。その傾向が強いですわ。
失礼ながら戦争をし続けなければ国内がまとまらない状態だと思いますわ。
「フラン王国の首脳部を残して延命させておけば、戦争が続けられますわ」
「・・・・戦争をやめる方法は提案しないのか?」
「さあ、徹底抗戦派でしたので・・・思い付きません」
これで何が気に入ったのか?気に入らなかったのか?王都を除いて国土の半分の講和条件が結ばれたわ。
王都に帰ったら、同然のごとく・・・
「フランソワーズ、見損なったぞ。王族離脱と国外退去を命じる!」
となり。
外国をウロウロしていたら。
「フランソワーズ様、陛下がお呼びです」
「まあ、保護して頂けるのですね。どちらのお国ですか?」
「はい、オーハン帝国の方角です」
同盟国だわ。喜んで馬車に乗ったら・・・
「あら、速くございませんか?」
「フランソワーズ様、つかまって下さい」
馬車ごと船に乗せられて・・・
着いたのはギルダー王宮だった。ギルダー国王から求婚された。
「フランソワーズ、余の妻となれ」
「・・・・何故でございますか?」
「フラン王国の国号を持つフランソワーズを戦利品妻とすることで、この大戦を終わりにする」
「ですよね~、じゃあ、ないですわ!領土と私の身を取るなんて!第一これで国民は納得しませんわ!」
「納得させるのが国王の仕事だ。フランソワーズ嬢はフラン王国の至宝として宣伝させている」
「もう、疲れました。ご随意にして下さいませ」
私の名前は、父は男の子を期待して、フランソワにしていたが、女の子でがっかり、
お母様は逃げだし。侍従長がフランソワの女性名風のフランソワーズにしたのよね。
「結婚してくれないだろうか?」
「仕方ないですね」
最低な求婚を受けて、こうして私はギルダー王妃になった。
国風か?
馬に乗って王妃連隊という名の騎士団を率いている。
「ヒヒヒヒ~ン!」
「皆様、ごきげんようですわ」
「「「「ごきげんようでございます」」」
こうして、小競り合いが起きたが、戦争に向けた力をギルダー王国は文化、経済に舵を取り。
この大陸の覇者になったわ。
数十年後、私はフラン王都に騎兵を引き連れて向かった。
次男をフラン国王にするためだ。
「母上、寂れていますね」
「ええ、国土が半分になっても王宮の予算は減らさなかった」
「祖父上、叔母上と会えるのですか?」
「ルーシーの地に亡命しましたわ・・・」
戦利品妻として、これが良かったのか分からない。でも、坊やは陛下と似ていておっとりしているが、辣腕を振るうのだろうなと親馬鹿で期待している。
最後までお読み頂き有難うございました。




