灰とひとつの温もり
このストーリーはあくまでもやまが作りましたが、語彙力と作文力が皆無なため、AIにも手伝って貰いました、なので、語彙力お化けの作品になっています
あの夜の喧嘩が
最後の会話だった。
父の頑なさ
ぼくの若さゆえの苛立ち。
ぼくは「二度と帰らない」と捨て台詞を吐いて家を飛び出した。
それから8年。届いた知らせは、父の死と、その2年前には母も亡くなっていたという、残酷な事実だった。
新幹線とローカル線を乗り継ぎ、見慣れたはずの家に着いた。錆びた郵便受け、欠けたタイルの階段。
玄関の鍵を回す手がいつの間にか震えていた。ギイッ、と古い扉が重い音を立てて開く。
冷気が肌を刺した。それは、ただの寒さではない、長年、誰も「ただいま」と言わなかったことによる、家の冷えだった。
靴を脱ぎ、板張りの廊下を歩く。
すべてが過去の記憶と寸分違わないのに、そこに漂う空気は異質だった。
母がよく使っていた台所からは、何も匂ってこない。父が晩酌をしていたはずのリビングは、光を閉ざしたまま、息を潜めているようだった。
ぼくの足は、自然と父の書斎だった小さな部屋へ向かった。
部屋の隅にある、父がいつも使っていた書き物机。
机の上は、ひどく荒れていた。
無数の紙切れが散乱し、その中心に置かれたガラスの灰皿は、吸い殻が山のように積まれ、フィルターの焦げた匂いが、部屋全体に染み付いていた。
父は、昔はタバコなど吸わなかったはずだ。この灰の山は、父が母を亡くした後、どれほどの孤独な夜を過ごしたのかを雄弁に物語っていた。
ぼくは、その紙切れを拾い集めた。それはすべて、僕宛に書きかけられた手紙だった。
「伸一へ…すまない。お前が出ていった後…」
「元気でいるか。俺は、お前の成長を…」
「母さんが、お前のことを…」
どの手紙も、途中で言葉を失い、強く握りつぶされ、破棄されていた。
父は毎日、ぼくへの謝罪と愛情を書き出そうとし、その度に、あの夜の喧嘩が脳裏をよぎり、罪悪感に打ちのめされ、筆を折っていたのだろうか。
この行為を、父は何年も繰り返していたのだろうか。
その度に、タバコの煙を吸い、そして、一筋の灰を落としていたのか。
僕は、散乱した紙の中から、一枚だけ折り畳まれた、最後の手紙を見つけた。他のものとは違い、乱れた文字だが、最後まで書き切られていた。
伸一。お前を傷つけた傲慢な父を許してくれ。
母さんが逝った後、俺は毎日、お前との喧嘩を罰として抱え続けた。電話をしようとして受話器を握るたび、俺を責めるお前の目が、俺の指を動かなくさせた。
だが、今、病で体が動かなくなり、ようやく正直になれる。俺の人生で、たった一つの後悔は、お前を抱きしめて、「悪かった」の一言を言えずに逝くことだ。この手紙が、お前に届くことが、俺の最期の願いだ。
伸一。お前は、俺の人生のすべてだった。
愛している。
どうか、俺の分まで幸せに生きてくれ。
僕は、嗚咽を噛み殺すことができなかった。
父の頑なさは、僕を許せないからではなく、僕を傷つけた自分を、許せなかったからだった。父は、この孤独な部屋で、自らを罰し続けていたのだ。
その時、机の隅に、父がいつもペンをしまっていた古い木製の筆箱があるのに気がついた。
僕は、恐る恐る筆箱を開けた。
使い古された文具に混じって、色褪せた、小さな野球のボールが入っていた。
僕が小学生の時、父に買ってもらい、二人でキャッチボールをした、あのボールだ。
表面には、父が投げたときにぶつけた、小さな傷跡が残っている。
僕はそのボールを、両手で包み込んだ。
ボールは、冷たい部屋の中にありながら、なぜか手のひらに吸い付くような、微かな温もりを帯びているように感じられた。
父は、この孤独な机で、タバコの灰を落としながら、手紙を破るたびに、このボールを手に取り、僕との楽しかった日々を反芻していたのだろう。
この温もりこそが、父が最後の最後まで、手放さなかった思い出なのだ。
僕は、ボールを強く胸に抱きしめた。断絶は永遠に解消されない。
しかし、この瞬間、父の愛情は、確かに僕の心に届いた。僕は、冷たい静寂の中で、涙とともに、心からの言葉を絞り出した。
「父さん、俺もごめん。…ただいま」
僕の「ただいま」は、誰もいない家に吸い込まれていった。だが、手のひらのボールは、父の体温を宿しているように、いつまでも温かかった。
この主人公は親からの言葉や期待、それに答えきれずに苦しみ、人との接触を減らしていき、親との衝突が増えてしまった、そして、父親からの売り言葉に買い言葉、、でていってしまった、荷物をまとめ、出ていく、後ろからは本当に出ていかせるの?出ていけば良い、あんなやつ、という会話、止める人は誰もいない、そんな声を後ろに、年齢17歳、親元からの巣立ちをしたのだ




