とある、生中継
『いや~美味しそうでしたね。』
『続いて山田さんの奇景レポートです』
『今日はどこにいるのか楽しみですね』
『山田さんと中継がつながっています!山田さん、お願いします!』
「はい、こちら山田です。辺りが岩だらけですね。スタジオの皆さん、私がどこにいるのか分かりますか?」
『え〜、岩が多いということは、、月面とかではないでしょうか』
『いや、火口。どこかの火山の上でしょ。』
『すごく暑そうですしね。』
「火山ですか。惜しいですね。確かに暑いのですが、現在私がいるのは、地獄の入り口です。」
『えぇ~』
『マジだったらスゲー』
『山田さん?生きてる?』
「ここは一日体験地獄を行なっているそうです。ここからはこちらの方に説明して頂きます。」
「こんにちは。閻魔大王様の側近として、司録を務めている嶽本です。」
「嶽本さんですね。嶽本さんはどのような仕事をしているのですか?」
「はい、そうですね。わたしの仕事は主にここへ来た者とその証言を記録することです。地上の法律に合わせて移動させたりもします。」
『すいません。何故タケモトさんは取材を受けることに?』
『確かに〜』
「わたしが、記録をする関係上、多くの質問に答えられるだろ、と言われまして。まぁジャンケンで負けたのですが。」
「そうなんですね。ここで一日体験地獄を行なっているそうですが何故ですか?」
「情けない話ですが、ここに来ると喜ぶ者がいるんですよ。それらの対処法をお教えいただきたく思いまして。」
『えぇ~。』
『っ!』
「驚かれる方が多いようですね。元々こちらへ来て喜ぶ者もおりました。しかしごく少数で、復讐したい相手がいたとか、好きだった人がいた、といったものでした。ここへ来るような人間のどこがいいんだか聞いたときは、顔、と即答されて困りましたが。それでも少数だったんですよ。大体すぐに破局していましたし。」
「しかし、最近増えていると。何か変化があったのですか。」
「えぇ。変化、というか…。しかも、もとからいた者まで。」
「具体的にはどのような変化を?」
「…。」
「あの…?」
「新しい扉を開いた、そうです。狂った訳ではないようで、会話等は成立するのです。ただそのような扉を存じておりませんので。」
「…」
「どうしたら良いのか。心の底から喜んでいるかのような笑顔をされると胸糞悪くて。」
「そっそうなのですか。」
「どうすれば良いと思いますか。」
「すっスタジオの皆さんっ。どう思いますかっ。」
『それは、たぶん罵られたり痛い目に遭うと興奮する、へんt
『罵るどころか炙られてるんだよっ』
『ドウシタライインダロウナァー』
『『っん?』』
「痛い目に遭うと興奮する?のであれば、痛い目に遭わせなければいいのではないでしょうか。嶽本さん、どうですか。」
「しかしですね、苦しませなくてはいけないのですよ。それが私の仕事ですので。」
「思いっきりきつくすれば、良いのでは?」
「犯した罪以上の事はしてはいけないのです。」
「大変ですね。スタジオの皆さんはどう思いますか?」
『羨ま、ッんん。』
『…曽井さん?』
『他の人が罰を受ける様子をただ見るというのはどぉ?』
『…放置プrっ』
『曽井さん?』
『ドウシタライインダロウタァー。ワカラナイナァー』
「ということで苦しませる良いアイデアを募集させて頂きます。視聴者の皆さんは『#地獄の変態に厳罰を』
『へんたぁっ』
『ソイサン?』
『』
をつけて投稿してください。応募されたアイデアの中から効果のあったものには、嶽本さん」
「はい、私どもから往復地獄ツアーに招待させて頂きます。」
「地獄に行って体験したり面会したりできます。」
「はい、しかも帰らせて差し上げますよ。」
「では皆さんご応募お待ちしております。地獄より山田がお伝えしましたー」