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94:不穏な空気。

「おはようございます」

「あら、ミネコちゃん、いらっしゃい。今日もいいにおいにつられたのかしら?」

「ですね。ここのパンは一番おいしいですから」

「そう言ってもらえるとありがたいね。ますますやる気が出ちゃう」

「ところで、テールちゃんは?」

「あの子かい?時機に篭一杯にしたパンを持ってくるはずだよ。ミネコさんが来たと同時に奥へと引っ込んだから。あっ、そうそう。昨日のパン、どうだった?」

「そうだ。そのことも言いに来たんだった。ものすごくおいしかったですよ。季節の果物をふんだんに使うなんて、テールちゃんも考えましたね。あれなら、季節ごとに違った果実を使えるからいいなぁと思いましたよ」

「そうかい。そりゃよかった。テールにも同じように話してくれるかい?たぶん、あの子、手放しで喜ぶよ」

「パンを落とさなかったらいいですね」

「そこだけが心配さ」


 おばさんがそういうと、豪快に笑い飛ばし、また焼いたパンを取りに行った。


「あっ、ミネコちゃんだ、いらっしゃいませ。ちょっと待ってね。これだけおいたらすぐにそっちに行くから」


 昨日言われたことを覚えているのか、パンの入った篭を上下することなく、先に並べてしまうことを覚えたみたい。

 まぁ、篭山盛りに入っていたら、さすがにそんなことはしないか。なんて思いながら、少しだけパンを並べている姿を見ていた。


「お待たせしました。で、どうでした?私の考えたパンは」


 迫ってくるようにぐいぐいと私の感想を聞きに来るテールちゃん。よほど待ち遠しかったのか、目をキラキラさせている。

 そんなテールちゃんに、おばさんに伝えたことを同じことを言う。


「本当ですか!?やった!ミネコちゃんに褒められた~!」


 今にでも小躍りしそうなくらい喜んでいるテールちゃん。そんな姿を見ていると、なんだか、面白く見えてきちゃう。


「そんなテールちゃんに私からお土産ね」


 そういって、私は紙袋をテールちゃんに渡す。


「なんですかこれ?」

「袋はここの使いまわしで申し訳ないんだけど、中は私のオリジナルクリームサンドが入ってるよ。2人の口に合うかどうかわからないんだけど、よかったら食べてよ」

「いいんですか!?やったー!おかあーさーん!」


 やっぱり、子どもはいつまでたっても子どものままなのかな。

 テールちゃんは、私から貰った紙袋を抱えて店の奥へと消えていった。そのスピードは今まで見たことがないほど素早いものだった。


「いいのかい?ミネコちゃん。こういうの、高かったんじゃないのかい?」

「気にしなくていいですよ。ちょっとお菓子を作りしぎちゃったんで、おすそ分けってところです」

「そうかい?なら遠慮なくもらうけど」


 おばさんはそう言うと、「まっ、いっか」と言わんばかりの表情をした後、いつもの顔に戻り、何のパンを買っていくか聞いてくる。


「そしたら、食パンをもらおうかな」

「それだけでいいのかい?」

「昨日買った食料がまだ残っているからね。速くしないと痛んじゃいそうだし」

「そうかい。うちのパンが飽きたのかと思ったよ。そういうことなら安心したよ。またいつでも買いにおいでよ」


 またそうさせてもらうよ。と返すと、私は、パン屋さんを後にした。


 とりあえず、これ以上、お金を預けっぱなしにしているわけにはいかないから、冒険者ギルドに向かって、お金を回収してこようっと。もう、私の家に強盗とか空き巣が入ることはないだろうし、私の家にお金を置いていても問題ないだろう。

 そんなことを思いながら毎度ながら30分ほど時間をかけて冒険者ギルドに向かい、その中でも買い取り受付にいるドシアンさんに声をかける。


「おう、嬢ちゃんか。久々だな。今日はどうした?買取りか?」

「まぁ、ここに来る理由はそれしかないけど、今日はその逆かな。この前預けたウルフの買い取ってもらったお金をもらいに来たって感じかな」

「そういえばそうだったな。えっと、レッドウルフが20匹だったな。諸々の手数料を引いて、金貨195枚だな」


 また200枚近い金貨を得ることになったけど、それはそれで私の成果として目に見えるからそれはそれでいいか。


「あっ、そうだ。またユイナが顔を青くしながら嬢ちゃんがいればなぁ。なんてボソボソ言いながら青い顔をしていたぞ」

「ユイナさんが?何の用だろう?」


 正直、私が何かすることはないんだろうけど、もしかすると、またなにか依頼したいことがあるのかな?なんて思いながらユイナさんに声をかける。

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