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5.登録

 ・この国はオーガル帝国のテールという領主が治める街らしい。

 ・街への出入りは、入領料の銀貨1枚を支払えば入れる。ギルドカードを持っていれば、入領料は無料になる。

 ・ギルドカードとは、基本的にお金のやり取りに使ったり、身分証としても使ったりするため、暮らすには必要不可欠になる。

 ・どちらのギルドで登録したとしても、どっちかのギルドでしか使えないということはない。追加登録も、削除も可能。


 だいたいはこんな感じで、わからないことがあれば、その都度教えると約束してくれた。


 そして、何もカードを持っていないと伝えると、なぜか流れで、ギルドカードの登録を貿易ギルドですることに。


「それじゃあ、ここに自分の名前と、年齢と職業を書いてもらっていいですか?」


 そういわれて、さらさらと自分の名前と年齢を書く。ただ、そのあとに手が止まる。

 この世界での私の職業ってなんだ?

 前の世界なら確実に、アイドル!って言い切れるんだけど、たぶん、常識はずれなこの世界でアイドル!って言っても通じない気がする。

 ここはどうにでも取れるように、アーティストとして登録するべきか。

 ……うん。そうしよう。その方が私も落ち着く。

 そう思うと、最後の職業の欄に『芸者』と書いて、受付嬢に渡す。


「芸者、ですか。わかりました。それじゃあ、これで登録いたしますね」


 受付嬢はそういうと、一度席とたって裏に下がり、ほんの数分して戻ってきた。


「はい、それでは、こちらがミネコさんのギルドカードです。なくさないように気を付けてくださいね。再発行で金貨1枚もかかるうえに、再発行のときは、登録情報を探すので、日にちが必要な時もあります。その際に街を出入りしようとすると、所定の入領料がかかりますので気を付けてくださいね」


 再発行手数料が金貨1枚。入領料が銀貨1枚。そう考えると、入領料は高くはないけど、毎回は面倒だな。なくさないようにしないと。

 そんなことを思いながら、カードを受け取り、どこかなくさないような場所を探す。

 ただ、それもないから、とりあえず、金貨の入った袋にでも入れておくか。

 また時間があるときに財布とかカード入れとか探そうっと。


 そんなことを思いながら、じろじろとカードを見る。


「何か気になることでもありました?」

「あっ、いや、何でもないです。えっと、この『E』ってのはなんですか?」

「ランクのことですかね」


 あぁ、そういうことなんだ。模試の合否判定みたいなやつなのかな。


「最初は皆さん『E』ランクからのスタートで、商人なら、税をどれだけ領地に収めたのか、冒険者なら、その実績によって『A』ランクを超えて最大『S』ランクまで用意されています。商人も冒険者もランクによって信頼度が大きく変わります。ただ、この街だと、多くの人がCランクまでに収まりますかね。冒険者はどうなのかは把握できていませんが、商人の場合は『B』ランクになると、いろいろな街に仕入れに行ったりするので、ほとんど街にいることはありません。まぁ、私の知る限りでは、変なものを買い集めている。みたいな話を聞いたことがあります。なので、Cランクまであれば、たいていのことは優遇されると思っていただければ」


 なるほどね。それなら、私も念のためにひとつ上のDランクには上がっている方がいいのかもしれないね。まぁ、どうやって税金を納めるのかはわからないけど。


「わかった。またわからないことがあれば聞きに来るね。……えっと」

「ルーイと申します」

「お願いしますね、ルーイさん」


 そういって、用事が終わった私たちは、ギルドを出て、メイランちゃんの宿まで戻る。


 まぁ、ちょっと時間はかかっちゃったけど、思ったより時間がかからなかったことを考えれば、ずっと見守っていてくれたメイランちゃんにはありがたかったかな。


「ありがとうね。メイランちゃん」

「いえいえ。そんなたいしたことはしてませんよ。それより、ミネコさんって、どこから来たんですか?街は全体が囲われていますし、出入り口には門番もいますし、気づかれずに街の中に入ることなんてできないと思うんですが」

「う~ん。私もわからないんだよね」


 とはいうものの、やっぱり、小さい子の好奇心ってすごいよね。細かいことでも気になれば聞いてくるし、納得するまで離さないんだから。

 実際に今も裾をぎゅっと掴まれ、私はメイランちゃんから逃げられない状態。


「う~ん。信じてもらえるかどうかわからないけど、私の田舎って、ものすごい遠いところなの。でも、知らない人に魔法を使われてここに来た。って感じなのかな。結局、その人も人違いだから出て行ってくれ。って言って、私を追い出しちゃうし」

「そうだったんですね。でも、ミネコさんの田舎って、どんなところなんですか?」


 やっぱり、小さい子の好奇心。怖いよ~。早く宿につかないかな。なんて思いながらも、メイランちゃんと話しながら、宿に戻ってきた。


「メイラン、ありがとう~。助かった~。また店番を頼んでもいいかい?」

「もちろん!任せて!」


 メイランちゃんは、さすがに子供の一面を見せているよね。褒められてうれしいのかな。なんて思いながら、私は、ギルドに行くことができたため、次の予定に移る。


「ちょっと外に出てくるね。いろいろ街も見てみたいし」

「はい!わかりました。お気をつけて」


 しっかりと玄関まで見送られて、私は、街の外へ行こうとする。

 街の外に出たい理由は、昨日の夜に読んでいた木簡に書かれていたことを試したかったから。

 ただ、どうやって外に出たらいいんだろう。確かに、メイランちゃんが言っていた通りで門番の人が街側に立っていた。

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