表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/378

66.呼ばれた理由

 なぜだか、ここが久しぶりに感じるけど、わざと、私が足を踏み入れていなかっただけか。まぁ、あんなことを言っちゃえばね。正直、足が向きたくなくなるよね。

 中に入った後は、受付のほうにはいかず、直接ドシアンさんがいると思う魔獣の買取り所へ直行。


「おう、嬢ちゃん。待ってたぞ。すまないな。呼び出してしまって。本当だったら、ユイナから話してもらうつもりだったんだが、ユイナが『ミネコさんから嫌われてますので』なんて言いやがってよ。そんなことねぇだろ?」


 どうやら、この前の一件で、少し怖がらせてしまったようだ。そこは少し反省だな……。


「まぁ、嫌ってはないですけど、少し強い言い方をしてしまったんで、もしかしたら怖がっているのかもしれませんね」

「そういうことか。まぁ、温厚な人ほど怒らせると怖いってよく言うもんだからな。それで、本題なんだが、またギルドから緊急の討伐依頼が発出されたんだ。同じように南の森で。俺たちも昨日からこうやって待機しているんだが、なんせ、なにも音沙汰がなくてな。様子を見に行ってほしいんだ。それで、あわよくば、群れを討伐してほしい。ってギルマスが言っていてな。すでに、何組かのパーティが駆り出されて現地調査をしているみたいなんだが、そこに合流してほしいとよ」


 そう来たか。ただ、私も冒険者として関わりたくないというのが本念なんだけど、こうもお願いされると、断りにくくなるな。

 だけど、今の私はひと仕事を終えて、そういう気分じゃない。ここは、明日の自分の気分に任せるとしようか。


「今日は、ひと仕事してきたところだから、パスさせてください。明日、気が向いたら行くことも考えます」

「お、おう。そうか。嬢ちゃんなら、喜んで突っ込んでいきそうだと思ったんだが……。まぁ、わかった。また明日、行く気になれば、ユイナに声をかけてやってくれ。もしかしたら、今日中に討伐し終わっているかもしれないから、話しだけ聞いてやってくれ」

「むしろ、ギルドとしては、今日中に片付いたほうがいいんだろうけど」

「まぁ、それにこしたことはねぇよ。俺たちも暇な時間が無くなるからよ」


 まぁ、そうだろうなとは思った。私だって、特典会の時、速く人が来ないかなぁなんていって待っていたくらいだし。

 かといって、一気に人が来過ぎたら、ちょっとは私の心の余裕を持たせてよ。なんて思っちゃうけど。正直、忙しくなる時間があるのはありがたい話なんだけどね。


「ギルドって夜通し開いているんでしたっけ?」

「あぁ、冒険者ギルドはな。貿易ギルドは、さすがに、夜深くなると閉めるし、冒険者ギルドも、俺たち買取り部門はさすがに夜中は休ませてもらっている。ただ、クエストの達成報告とか、緊急依頼のために夜にだけ出勤するギルドの受付嬢がいるぞ」


 ここはしっかりと『嬢』と言ったな。ということは女性の方か。

 この世の女性は、みんな働いているんだね。私も含めてだけど。そんなことを思いながら少し感心しちゃった。

 そして、思い出したようにドシアンさんから買取りのお金をもらって、アイテム袋の中に入れた。


「さすがだな。あれだけのウルフの量をものすごい綺麗な状態で持ってくるんだから、買取り金額も弾むはずだぜ。ホント、景気のいい話だぜ。続けて買取り金額が金貨100枚を超えるなんてな。俺たちの年収くらいじゃねぇか?」


 ドシアンさんはそういうと、ガハハと豪快に笑い飛ばして、奥へと引っ込んでいった。

 それを見送ったあと、私は、市場の中にある鋳物の商店に行く。

 さすがにこんな大金を持ち歩くのは怖すぎる。金庫に似た何かがあるんだったら、そこに保管していたいというのもある。

 ただねぇ。ほしいものがすぐに手に入らないのは、この世界の常識になりつつあるんだよなぁ。それをわかっていながら、ふらふらと探し続けるのは時間の無駄かもしれないけど、まぁ、探してみるだけ探してみるか。

 そんなことを思いながら市場にもう一度向かい街並みを歩く。

 とまぁ、一通り歩いてみるけど、ショーウィンドウ越しじゃあまりわからないよね。それに、どの店が金庫のようなものを置いているのかわからないわけで、アイテム袋を常に持ち歩いているから、金庫という概念がないのだろうか?

 なんというか、私の中の常識がガラガラと崩れていく。

 アイテム袋を持ち歩いて立ち回るのもいいだろうけど、スリに会ったときに、財産無一文になるのが一番面倒くさい。

 そう考えると、やっぱり、手持ちは少なく、自宅に隠せるところがあるなら、多くを隠しておきたい。

 加とか言って、壁に穴をあけるのはさすがに借家だから、壁に穴をあけるのはさすがに気が引ける。

 となると、やっぱり、隠すとするなら、寝室のクローゼットしかないかな。まぁ、そこが一番か。気が進まないけど、そうせざるを得ないか。

 とりあえず、自宅に帰るか。……っとその前に、アルテーノさんのお店に行って、お金の保管用にアイテム袋を購入しますか。

 で、今お金が入っているアイテム袋を自宅保管用に変えて、新しいアイテム袋を持ち歩くようにするか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ