44:買取り
「あら、ミネコさん、いらっしゃいませ。今日はどういったご用件で?」
「ルーイさん、こんにちは。今日もウルフの買取りをお願いしたいんですけど……」
「わかりました。えっと、解体は~……」
「できないので、その費用を差し引いてもらって構いません。ざっと、20匹ほどあるんですけどいいですか?」
「に、20匹?」
「はい。昨日、冒険者ギルドの緊急クエスト?みたいなものにほぼ強制で参加していて、その時に狩ったウルフの群れの一部です。たぶん、昨日のうちにほかに同行した冒険者が買取りに来てると思うんですけど……」
「あぁ、そういうことですね。わかりました。担当のものを呼んでくるのでここで少しだけお待ちください」
そういってルーイさんは受付の奥に引っ込んだ後、ドシアンさんを連れて戻ってきた。
「おう、誰かと思えば嬢ちゃんか。なんだ、冒険者ギルドに来ちゃ、手っ取り早いのに」
ドシアンさんは事情を知らないみたいね。でも、私だって、近寄りたくない理由がある。それだけはどうしても譲れない。
「私にもいろいろ事情がありますから。とりあえず、昨日の緊急クエストで狩りとった分、全部渡してもいいですか?」
「あぁ、そういうことか。もう今日の分を狩ってきたのかと思っちまったよ。了解。とりあえず、今は人員に余裕があるから、嬢ちゃんの狩ったウルフもすぐに解体できるぞ」
どうやら、詳しいことを聞くと、緊急クエスト発令に伴って、人員を増やしているらしい。まぁ、そうでもしないと、解体されていない魔獣が持ち込まれることも目に見えているもんね。とくに私からというのが一番大きいんだろうけど。
「そんなに急ぎじゃないんで、ゆっくりしてもらっていいんですけどね。あと、冒険者ギルドには寄りたくないので、精算できたら貿易ギルドに来てもいいですか?」
「うん?まぁ、事情は知らんが、わかった。こっちで渡せるように手配は取るよ」
ドシアンさんがそう言ってくれたのは安心する。そうじゃないと、またユイナさんにいろいろ言われるだろうから。なんて思いながら、ドシアンさんに解体庫へ案内され、そこでレッドウルフとミドルウルフを合わせた22体をアイテム袋から出す。
「ま~たすごい量だな。昨日の冒険者も25体だったか、持ってきたな」
「たぶん、それと一緒ですね」
「そうか。わかった。俺たちも手は空いているし、早かったら今日の夕方には買取りの精算はできると思うがどうする?」
「そうですね……すでに、大金を持っている状態なんで、少しだけ預かってもらえると幸いです」
「だな。嬢ちゃんの場合は、ブルーウルフの解体分があったもんな。わかった。今回の買取り分に関しては、ちゃんとギルドカードに記録を入れさせてもらうよ。少しだけギルドカードを預かってもいいか?」
ドシアンさんにそう言われ、素直にギルドカードを渡す私。
「え~っと……。またこりゃ、えらくきれいな状態で持ってきたな。一瞬生きているやつを持ってきたのかと思ったぜ」
「何が作れるのか知らないけど、毛皮はきれいに取っておいた方が何かしら使えるんじゃないかって思って」
「まぁ、そりゃ、きれいだと買い取り価格も上がるし、たまに、城のほうから買い付けもあるしな。そりゃ、きれいな毛皮を買っていくこともあるさ」
なるほどねぇ。そりゃ、王族が高級な毛皮を求めて物色するのもわかる。持ち物ひとつで上に見られるか下に見られるか変わるんだから。
「レッドウルフが8体の、ミドルウルフが14体か。ざっと見積もっても、これだけの量だと、金貨100枚は行くんじゃねぇか?」
ドシアンさんは笑顔でそう言うけど、私としては、ちょっと引き気味。
これほどの大金を手にしている方が怖くなる。
この手持ちの金貨を預けたり引き出したりっていうシステムはないのかって思ってしまう。
とりあえず、ギルドカードを返してもらったら、メイランちゃんの宿に戻って、宿に置いているものを全部引き払って、自分の家にもっていこうっと。
明日の更新、間に合わなかったらごめんなさい!
別の媒体には保存してあるので、おそらく間に合うと思いますが┉┉。




