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36:討伐の方法

「数えている余裕はないよ。群れの一部が見えただけで襲ってきたから、ここまで引っ張って来て対峙しているんだ。攻撃をかわすのが精いっぱいだよ」


 なるほどね。状況はわかった。

 どっちにしろ、何匹いるかわからないから、慎重かつ、大胆に行くしかなさそう。

 ……こうなると、炎魔法で一気に燃やし尽くしたい気にもなるけど、そんなことをすれば、周りの木まで燃えて森林火災になりかねない。そうなった後の方が面倒だな……。

 となると、ここも水魔法ということになりそうだな。

 燃やし尽くすほうが早いんだけどなぁ、なんて思いながら、水の壁の向こうを見る。

 棘に触ることを気にしているのか、まるでエンジンを噴かすように唸りながら、こちらの様子を伺っているウルフたち。

 壁を崩すと、一気に襲い掛かってきそうだな。

 壁から攻撃するイメージを作れば、ウルフを溺死させることができるのか?できれば、相当楽になると思う。


「ウルフが様子見している間に回復できるならしてちょうだい。おそらく、総力戦になると思う。私も魔法は永遠じゃないから、いつまでもこの壁があると思わないでよ」

「あっ、あぁ。わかった。恩に着る」


 私の声を聞いて、1歩下がった3人。今のうちに回復してもらって、いつでも動けるようにしてもらわないと。

 なんて思いながら、水の壁から水球を出すイメージを作り出し、それをウルフに投げつける。

 届くことは届くし、包めることは包める。……ただ、包容力が弱いな。一瞬ではじかれた。

先に試していてよかった。

 それなら、もう少しだけ壁を保持して、回復をしてもらい、私はシールドを張って1匹、ないし2匹ずつ倒していこうか。


「助かった。こちらは完全に回復したよ。で、どういう作戦で行くんだい?」

「そうね。とりあえず、さっきこの壁を使いながら私も攻撃できるか試してみたけど、さすがに無理だったから、この壁は壊しちゃう。だから、ウルフからの攻撃はそれぞれで対応してもらうしかないから、その点だけよろしく」

「了解。単独なら、ウォルトをそちらでサポートさせようか?」


 唐突な提案だけど、私はひとりで大丈夫な気がする。


「必要ないと思う。一応、水の壁で防げると思うし。あとは、どこまで倒せるかってところだと思う。そっちは万全な状態で行って。私から邪魔はしないつもりだし」

「了解。それなら助かる。正直、ほかのパーティもいたはずなんだが、数にビビったのか、尻尾を巻いて逃げちゃったようでね」


 そういえば、さっきすれ違ったグループがいたって門番の人が言っていたな。そのグループと関係があるのだろうか。

 とりあえず、今は、目の前の状況にどうやって対処するか。余計なことを考えていたらこっちがやられる。

 もうここは、腹をくくって一気に行くしかない。


「壁を壊すよ。攻撃できる準備ができたら言って」

「いつでも大丈夫だよ」

「承知。ブレイク!からのアクアボール!」


 壁を壊すと同時に、攻撃用の水球を投げつける。

 感覚的には、2匹くらい同時に溺死させられるようなほどの大きさで。もし、ほかに巻き込めるなら、それでもかまわない。

 ただ、やっぱり、数が多い!2匹だけに集中していると、周りから襲われてしまう。かといって、あれだけ強がった以上、今更、援護してほしいなんて言えるわけがない。

 私はいつだってひとりでやってきた。やる気のないグループの活動も私だけは絶対に売れようと、必死だった。ひとりになってからも、誰の力を借りることなく、ひとりで全部やってきた。だから、人に頼るということを忘れているのかもしれないけど、今の私は、ひとりでやり遂げるしかない!


「シールド!からのアクアボール!」


 自分の体を守るように、シールドを張り、さらに、攻撃されてもダメージが入らないように、アクアボールを自分の体の周りに張ってみる。

 これで少しは周りを気にせずウルフを倒していけるだろう。

 そこから、少しずつウルフを駆除していく。

 もちろん、強いものが主にいるせいか、駆除に時間がかかる。パッと隣を見ると、少し苦戦しながらも一匹ずつ倒している。

 まぁ、もちろんというべきか、私が倒すウルフは今にも生き返りそうなほどきれいで、ルイスさんたちが倒していくウルフは傷だらけで、どっちが倒したかはすぐに見分けがつく。あとで獲物を分ける時も言い争わないで済みそうだ。

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