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21:買い取り

 そう手を上げたのは、メルティさん。


「レッドウルフ1体くらいならあたいのアイテム袋に入るよ。まぁさすがに、ブルーウルフは入らないけどね」


 やっぱり、みんなブルーウルフは入れられないか。

 そんなこと思いながら自分のアイテム袋からレッドウルフを取り出し、空にする。

 焦げたレッドウルフを渡すのは申し訳なかったけど、メルティさんが躊躇なく引き取ってくれたおかげで、私はほっとする。

 そして、私は横たわって息のしていないブルーウルフ。

 とんでもなく大きくて、横たわっている姿を見るだけでも圧倒される。

 そんなブルーウルフだけど、頭のあたりにアイテム袋をかぶせると、なんとかと言った感じで吸い込まれた。


「本当に入っちゃったのね……。あなたのアイテム袋、すごいわね」


 まぁ、何も入れていないっていうのがあるんだと思うけどね……。さっきのレッドウルフを入れていたら、さすがに私のアイテム袋もはいっていない。


「とりあえず、みんなまだ動けるよね?面倒ごとにならないうちに速く抜け出して、門番の人に伝えよう」

「あぁ、そうだな。嬢ちゃん、助かったぜ。嬢ちゃんたちの協力がなかったら確実に俺たちも死んでいただろうな。無傷なのがありえないくらいだぜ」


 ロッカは、私に賛同すると、前は俺が守ると言わんばかりに先を歩きだす。そして、要救助者たちを間に挟み、一番後ろに私とウェルメンさんと続く。


「ミネコ。明日の朝、冒険者ギルドに来てよ。このウルフを売ったお金を渡したいから」

「了解。ウェルメンさんもありがとうございます。ウェルメンさんの協力もあって、なんとか倒しきることができました」

「まぁ、これであなたの謎がますます深まってしまったけどね。本当に芸者なのかって言う疑いが」


 まぁ、あれだけの力を見せたらそうなるか。私が一番強いようにも見受けられたし、周りはサポートで精いっぱいというべきか、レッドウルフやブルーウルフにびびっているように見受けられた。

 本当に討伐完了したのが夢のようなんだろうな。


 ブルーウルフを倒してからは、森を抜けて、街に戻るまで、魔獣と鉢合わせることはなく、無事に街に戻ってくることができた。

 そして、無事に宿まで到達するころには、もう陽が昇りかけていて、空が少しずつ明るくなってきていた。


「もう、これじゃあ、寝ることはできなさそうね。このままギルドに行っちゃいましょうか」

「そうね。そのほうがいいかもしんない」


 もう眠くて、私の頭は思考回路の営業を終了しようとしている。

 それでも、なんとかウェルメンさんについていって、冒険者ギルドに。


「あら、ウェルメンさんにミネコさん。珍しいですねこんな時間にお越しになるなんて」


 私たちに気づいたユイナさんが挨拶をしてくれる。

 さすが受付嬢だな。こんな朝早くでも身なり一つ乱れていない。

「朝早くにごめんなさいね。魔獣の買取りって、まだかしら?」

「いえ。すでにやってますよ。ドシアンさんが宿直で相変わらずあくびをしながらあそこに座っているじゃないですか」


 そういってユイナさんが指をさす先に気持ちよさそうにうたた寝をしているドシアンさんの姿が見えた。


「寝てますけど……」

「もう!また朝から~。はぁ。とりあえず、叩き起こしちゃいましょうか」


 そういうと、ユイナさんは、私が前に来た時と同じような感じでドシアンさんのところに行き、今回は、ビックリさせるようにテーブルをバンと叩いた・


「うぉっ、ビックリした。なんだ。ユイナか。……昨日の嬢ちゃんもいるのか。こんな朝っぱらからどうした?」

「ユイナさんには先に話しておこうと思っていたんだけど、昨日の夜、南の森でひとつのパーティがレッドウルフに襲われている。って聞いたから救出に言っていたんです。その時に狩ったウルフたちを買い取ってほしくて」

「おう、そうか。それならここに出してみな」

「できれば、広い場所があったらいいんですけど」


 すでにアイテム袋を手にしているウェルメンさんが提案した。レッドウルフが2体入っていることを忘れていたのかもしれない。


「そんなに多いのか?」

「群れ~……だったんで」

「そうか。それなら外に行くか」


 そういってドシアンさんは外に出て、倉庫のようなところに行く。


「ここは俺たち解体を生業にしている職員が持ち込まれた魔獣を解体するときに使う倉だ。まぁ、俺たちの仕事場だな。まだ解体できていないものもあるが気にしないでくれ。で、買い取ってほしい魔獣って?」


 ある程度説明してくれて助かったけど、いろんな肉?なのかな。いろんなものが置かれていて、いろいろ目移りする。

 そして、ウェルメンさんがアイテム袋からレッドウルフを2体出して、ドシアンさんに見せる。


「2日連続でレッドウルフか。珍しいな。こんな狩ることができるのか?」


 ドシアンさんはびっくりしている様子。この様子を見ると、伝えられていないのかな?


「ここ最近、南の森でミニチュアウルフやレッドバードだけじゃなくて、レッドウルフがうろついているようで、冒険者に対して『森の中に入ることは控えるように』とギルドからお達しが出てます」

「そうですね。騎士団が調査している途中で、特に低ランク冒険者には立ち入らないように通達しています」

「そうか。そりゃあ、レッドウルフの買取りが増えるわけだ。まぁ、俺らからすると、久しぶりに中位種を解体できるわけだから腕がなるがな」


 今日はそれだけじゃないんだよな。なんて思いつつも、アイテム袋からブルーウルフも一緒に取り出す。


「ウソだろ……。なんでそんなものを……」


 ドシアンさんはあんぐり口を開けて固まった。


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