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1 天使と悪魔の会話

「何であなたがついてくるのよ?」


「天使がゆくところ悪魔だって必ずいるもんでさ」


わたしはみんなの世界では天使と呼ばれてるものよ

あの世では名前なんてないから天使も悪魔もないの

わたしたちは言葉を持たず意思を伝え合うことができる

言葉がないところに名前なんていらないでしょ?

わたしと一緒にいるこの悪魔にだって本当は名前なんてないのよ


それに加えてあの世というのはみんなも知ってる通り「体」というものがないわ

そうね・・・上手く伝えることができないけれど魂は光のようなものなのよ

光同士が無数にあって、点滅している

それが会話のようなものなのよ


今わたしたちは下界に降り立った

つまりみんなのいる地球にやってきたのよ


ここでは肉体がなければ動くこともできないから、今こうして喋ってるわたしは神さまから特別に借りた体なの


そして隣にいるこの太った大男も同じように神さまの許可をもらってここについてきた悪魔よ


わたしが一人で来たいといったのに、どうしても俺もいくと言って聞かなかった

嫌な予感しかしないわよ・・・


さてさっきの若者はどこかしら?

この暗い森は正直苦手よ


見たくもないものたまに見かけるものね

目を塞ぎたくなるような悲しいもの・・・


「こんなところに来るモンの目的は一つじゃねえか

それをあんたは邪魔しにきた

俺はそのあんたを邪魔しにきた

状況はシンプルさね

死にたいやつは死ねばいい

誰にも止める権利はないっちゅうことだがね

俺の誘惑に負けちゃう連中だって最後は自分の意思で堕落していくんだよ

お前さんだって何度も説得に失敗してる

助けられないやつってのはいるもんさね」


「やるだけやる、見殺しにはできないわ」


「生きてる方が幸せとは限らないんじゃないかね

根本的な部分で俺たちは合わねえな

〝生き地獄〟って言葉もあるくらいだからね

あの若者だってそれかも知れねえよ

お前さんのやることは往々にしてありがた迷惑なんだ」


わたしは無視してやったわ

ちょうどその時、あの若者を見つけたのよ!

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