第一章 時を超えし者達 第8話
バリウスとドルテの一戦……
強剣士の一瞬のぶつかり合いに、辺りは騒然とする。
カーンの制止で大惨事は免れたが………
───ガーネフィスト中央広場───
バリウス「お前、何と手を組んでる?」
ドルテ「オメェに言う必要あんのかよ…」
バリウス「場合によっては容赦はしない!」
ドルテ「お~お~、剣王様は怖ぇなぁ(笑)」
バリウスは剣を握り直した。
睨み合う二人……。今のこの二人の間に入り込む隙など微塵もない。
サッドとサラはただ見守る事しか出来なかった。
───屋根の雪が落ちた瞬間……開戦!
ドルテ「フンッ!」 バリウス「フッ!」
ガチンッ!!………剣がぶつかる!
剣がぶつかった衝撃で辺りの空気が揺れる!
サッド&サラ「……!!」
街人達「きゃぁぁぁぁ!!」
サッド(凄ぇ!お互いただの一振だぞ!)
サラ(肌が……ピリピリする!)
バリウスとドルテは剣を合わせたまま会話する。
ドルテ「バリウス、お前のその剣はやっぱり強ぇ
なぁ、良い剣だ」
バリウス「お前の剣も相変わらずデカいな」
双方少し距離を置く。
ドルテ「少し力入れるぞ!……」
バリウス(……!マズイ!あれは!)
ドルテ「はぁぁぁぁぁ!………」
ドルテの大剣にオーラが集束していく。オーラの集束と共に大剣の刀身が鈍く光る。
ドルテ「街ごと吹っ飛べ!」
ドルテが技を放とうとした時………
「やめんか!」
カーンとリサが到着した。
ドルテ「カーン老師か……厄介なのがいるな。」
カーン「ほほぉ、どうやらワシが目障りな様じゃ
のぉ」
ドルテ(錬金は厄介だ。まだ剣を破砕される訳に
はいかないが………)
リサ「きゃあ!」
ドルテは素速い動きでリサを捕らえた。
バリウス「……!リサ!!」
ドルテ「動くな!バリウス
俺の目的はこの女だ。カルディスの
生き残り、知らないとでも思った
か?」
バリウス「くっ!」
ドルテ「こいつが居れば目的は果たせる」
その言葉と共にドルテは自身の懐から何やら怪しいアイテムを取り出し、それを足元に叩きつけた。
ドルテ「ククク……また龍族の時代が来る…」
そう言い残し怪しいアイテムの効果で姿を消した。
バリウス「待て!!………くっ……」
カーン「彼奴が持っていたのは空間移動する力を
練り込んだ宝玉じゃな
だとすると、黒幕は別のエレメンティ
ストじゃ
厄介じゃのぉ……恐らく手強い」
サッド「剣王、すまねぇ……俺が力不足なばっか
りに!」
サラ「すみません………」
バリウス「自分を責めるのは良くない。策を考え
よう!
カーン老師、奴らの居場所探れます
か?」
カーン「やってみてはいるんじゃが、何やら結界
を張っておる様じゃ
じゃが、ワシを見くびるでないわ
い!」
バリウス「お手数をおかけします」
カーン「今焦って行動するのはかえって危ない
ひとまずワシの家で待機じゃな」
一行は再びカーン邸宅に向かった………
───第9話に続く───