第五章(最終章) 絆 第15話
ユリウスの捨て身の阻止で時間を稼ぐ事に成功した。
リサの守護石のお陰で回復したバリウスは遂に……
リサの守護石から流れ込んでくるオーラで、バリウスの身体は回復する。
急いでユリウスの傍に向かい、状態を確認する。
ユリウス「……はぁ………はぁ…………」
バリウス(……! まだ息がある!)
バリウスは即座にカノンからユリウスを離す様に移動する。そして守護石をユリウスの手に括り付けた。
バリウス「少しリサのオーラが残ってる。これで
助かるかもしれない!」
ユリウスの様子を見て、バリウスは立ち上がった。
バリウス「ここで待っててくれ、ユリウス……」
再びカノンの前に立つバリウス。
カノン「クソが!……今のはやられた!」
バリウス「………」
バリウスは無言でカノンを睨みつける。
カノン「クックック……何があったか知らんが動
ける様だな………ぐぬぅぅぅ!」
ズボッ!
カノンの身体はまた再生する。
カノン「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ……クックック……
さぁ!再開といこうか!」
だが………
カノン「……?!」(奴がいない?!)
バリウスは瞬時にカノンの背後に回り込む。
カノン「……! おりゃぁ!」
カンッ!…………
カノンは振り向き様に剣を振るが、なんとバリウスに素手で剣を掴まれた。
カノン「う、動かん……」
バリウスの瞳は更に金色に光っていた。
バリウス「無駄だ………貴様は消耗している上
に、身体の再生で更にエネルギーを
削っている。終わりだ!」
カノンは剣を手から離し距離を取る。
カノン「舐めるな!我は神!負けんのだ!」
バリウスはカノンから取り上げた剣を自身で持つ。そして二刀流の構えでカノンに狙いをつけた。
それは一瞬だった。バリウスはカノンの身体をバラバラに斬り刻む。
カノン「……な………なん…だと……」
バリウスは距離を取り、カノンの剣を投げ捨てた。
カノン「クックック……なんてな……
身体をバラバラにされたところで我は死
なん!」
バリウス「分かってるさ……時間稼ぎだ……」
カノン「……?!」
バリウス「お前を完全に葬るのはこれしかない」
少しうつむき目を閉じた。そして深呼吸して精神を集中させる。
バリウス(ヴァズ……ありがとう………)
バリウスの剣から、見た事がないオーラの様な光が漏れ出す。
カノン「………これは!……ヴァズの……」
バリウス「オレの全てをこの剣に込める!」
カノン(しまった!これは動けん!)
サラ『剣……王……愛……して…ま…し……』
バリエラ『どんな形であっても幸せになって!』
エリザ『もうここに来てはいけませんよ……』
カーン『愛を………忘れ……るな……』
ユリウス『兄貴……あとは……頼んだ……』
リサ『生きて!…生きて帰って来て!』
バリウスはこの瞬間に色んな事を思い出していた。無力さ故に守れなかった人。殺された仲間。かつて愛した人。この世界の運命に翻弄され、殺された母。そしてその運命を阻止しようとした老師。……今、その元凶が目の前にある。
終わらせられる時が来た。
バリウス「全てをこの剣に……はあぁぁぁぁ!」
『奥義!金剛龍!・神一閃!』
キィーーーーーーーーーーーー……
その剣の横振りは全てを斬り裂く高い金属音の様な響きを周囲に轟かせた。やがてつかの間の静寂が辺りを包む。
その後……
カノン「……うぐ………っが………」
(我の中枢まで斬り裂いた……だと?!)
カノンの身体が少しずつ砂の様にサラサラと崩れ出した。
カノン(我は神だ!……絶対神だぞ!……
こんな事があって良い筈がない!
おのれぇ!……おのれバリウス!)
─────ヴァズの領域内─────
リサ「……はっ!………」
ドルテ「勝ったのか?バリウス!」
リサ「……うん………勝ったよ……」
ヴァズ「二人とも、出るぞ!」
バリウス「……ふぅ……」
バリウスはその場で倒れ込んだ。全てを出し切ったのだ。
ヴァズ「ユリウス!」
ヴァズはユリウスを見つけて確認する。
ヴァズ「大丈夫だ……
ユリウス、お主も無茶をする……」
ドルテ「ユリウス、お前を尊敬するぜ……」
リサはバリウスの傍に駆け寄った。そして静かに抱きしめた。
リサ「……生きてる………
バリウス……頑張ったね………」
程なくしてバリウスは目を開けた。そしてそっとリサの頭を撫でた。
バリウス「……リサ………ありがとう………
君の想い……温かかった………」
リサはバリウスの顔を見る。リサは潤んだ目で微笑んで囁いた。
リサ「……バリウス……おかえりなさい」
─────最終話に続く─────




