第五章(最終章) 絆 第14話
オーラ解放状態が解かれたバリウスは身動きが取れない状態まで消耗してしまった。
バリウスの誤算でピンチとなったが………
────クリスタリカ郊外────
ヴァズ「こんな離れた場所で良いのか?」
ユリウス「ああ、助かった。すまない…」
ヴァズ「気を付けろ。」
ユリウス「ああ!行ってくる!」
ユリウスはバリウスの所へ走って向かった。
バリウス「くそ!……」
(純粋な白龍オーラじゃないから、解放
状態が短いのか!……誤算だ!)
カノン「残念だったなぁバリウス……
今しばらくは動けまい………
さっきまでの礼だ!」
カノンは動けないバリウスの腹を蹴る。
バリウス「うがぁ!……」
バリウスは腹を抱えてうずくまった。
カノン「少しお仕置が必要だなぁ。なぁに、殺し
はせん……お主は生かしておく価値があ
るからな!」
カノンはバリウスの首を掴んだ。
バリウス「うぐ………」
カノン「少しの間寝ていろ!」
ズドンッ!
バリウス「うぉ!……」
カノンは掌に少しオーラを溜め、バリウスの腹に当てる。その衝撃で吹き飛ばされてしまった。
バリウス「くっ!……はぁ…はぁ…はぁ…」
(くそ!……どうすれば……)
バリウスが考え事をしていると、瓦礫の影に引きずり込まれた。
バリウス「……な……」
ユリウス「しー!……静かに……」
バリウス「ユリウス!なぜここに!
……危険だぞ!」
ユリウス「兄貴にこれを渡しに来た……」
ユリウスはリサから預かった守護石をバリウスに手渡した。
バリウス「こ……これは……」
ユリウス「リサからだ……実はヴァズの領域内で
リサとヴァズだけがある程度事情を汲
み取れてる。」
バリウス「リサ……」
バリウスは守護石を握り、有難味をかみしめた。
ユリウス「兄貴……その守護石には、リサのエレ
メンティストとしてのオーラが込めら
れてる。オーラ解放した身体をある程
度癒せると思う。
だから少し休んでてくれ」
ユリウスは立ち上がった。
バリウス「おい……ユリウス……」
バリウスは気付いた。
ユリウス「さてと、足止めしてくるぜ!」
ユリウスはバリウスに背中を向け歩き出そうとした。
バリウス「よせ!ユリウス……うっ!……」
ユリウスを止めようとするが、今のバリウスは動けない。
ユリウスは背中を向けたまま、バリウスに言葉を発する。
ユリウス「なぁに、簡単に死なないさ!」
バリウス「ユリウス!オレはもう誰も失いたくな
いんだ!……だから……」
ユリウスはバリウスの言葉を遮る様に話す。
ユリウス「それなら……その守護石で早く回復し
てくれ!……今は俺を信じてくれ!」
バリウス「ユリウス………」
少し黙り込んでからユリウスは振り返り、バリウスに話す。
ユリウス「兄貴……今まですまなかった……
そして、また兄貴に全てを頼んでしま
う俺の無力さを許してくれ……」
バリウス「……ユリウス…………」
ユリウス「そして………」
バリウス「…………?」
ユリウスは少し微笑んだ。
ユリウス「今まで…俺の兄貴でいてくれて……
……ありがとう………」
バリウス「…………!」
初めてだった。
初めて見せた、強い弟の涙だった。
バリウス「………行くな!ユリウスー!」
ユリウス「おい!神さんよ!
俺としばらく相手しろや!」
カノンは、消耗していた体力の回復に専念していたが、ユリウスの接近に即座に気付いた。
カノン「誰かと思えば、出来損ないの弟ではない
か。お主に何が出来る!」
ユリウスは無言でカノンに突進する。
だが………
ズブズブ…………
ユリウスのみぞおちから、カノンの剣が深々と刺さった。
バリウス「………ああ!」
カノン「マヌケめ………」
ユリウス「ごふっ………はぁ…はぁ…」
カノン「まさか一直線に突っ込むとはな……
…………!……な!……なに?!」
ユリウスは腹に剣が刺さった状態でカノンに近付き、残された左腕でカノンの肩に手を置いた。
ユリウス「へ……へへ……掴んだぜ……」
カノン「は!離せ!雑魚が!」
ユリウス(俺にはオーラは残されてない………
なら、ありったけの波動をてめぇに流
し込んでやるよ!)
「うおおおおぉぉぉぉーー!」
ユリウスの波動がカノンの体内に流れ込む。
カノン「や!やめろぉぉぉ!!」
べヂャーーー!
カノン「うぎゃあぁぁぁぁ!」
カノンの右肩から先が破裂する様に粉砕した。
ユリウス(…へ…へへ……あとは…頼んだ……
………兄貴…………)
そのままユリウスは倒れた。
バリウス「ユリウスーーーー!」
─────第15話に続く─────




