第五章(最終章) 絆 第8話
力をつけたバリウスだったが、ゲインに及ばなかった。圧倒的な強さの前に、遂にバリウスは……
ゲイン「情けねぇ………偉そうに俺やネロの事を
言ってた割にはクソ弱ぇんだよ!
俺の名前が付いてるのによぉ……」
バリウス「………くっ………」
ゲインは大剣を肩に掛け、不機嫌な表面でバリウスに話す。
ゲイン「フンッ!その面……飽きた……」
ゲインは剣にオーラを収束させる。
ゲイン「………死ね……クソガキ……」
ゲイン『超神剣・乱閃!』
ゲインの縦振り一閃は無数の刃となってバリウスを襲う。バリウスはこれを避けるが、ゲインはバリウスの避けた方に素早く移動。そして強烈な蹴りを浴びせた。
ドンッ!! ガシャーーー!!
強烈な一撃をまともに受け、バリウスは吹っ飛ばされ気を失った。
ゲイン「さてと、雑魚にトドメを刺すか……
一思いに殺ってやるんだ、ありがたく思
えよガキ……」
ゲインはゆっくりとバリウスに歩み寄る。
──────ヴァズの領域内──────
ユリウス「ヤバい!このままでは!……」
ドルテ「くっ!……俺が行く!」
するとドルテを止める声がする。
ヴァズ「待て!犬死にするだけだ!」
ユリウス「……! ヴァズ!」
ドルテ「このままじゃ、バリウスは殺されちまう
ぞ!……放っておけるか!」
ヴァズはドルテを必死に説得する。その傍らでリサは呆然としていた。
ユリウス「リサ………大丈夫か?」
リサは無表情のまま三人に話し掛けた。
リサ「バリウスの気配……何かおかしくない?」
ゲイン「終わりだ………」
ゲインは剣を突き立てる様に構え、バリウスを見下ろす。そして……
ゲイン「死ねぇーーー!!!!」
バリウスの胸元に剣が刺さる寸前で止まった。
ゲイン「何?!……刺さらんだと?!」
バギンッ!
バリウスは目を閉じたままゲインの大剣を薙ぎ払う。その勢いでゲインは後ずさりさせられた。
ゲイン(……なんだ?!)
バリウスはゆっくりと身体を起こし立ち上がった。そして目を見開く。その目は先程よりも紅く光り、鋭い眼光でゲインを睨み付ける。
ゲイン(……ん?! 何が起きてる?!)
「お前は何者だ!」
バリウスはゲインを斜に構えて見下ろす様に睨む。
バリウス「……寝ぼけてるのか?」
ゲイン「あ?!……なんだと?!」
バリウス「さっきから貴様の剣に付き合ってやっ
てるだろ?
オレは『バリウス・ゲイン』だ……」
ゲイン(さっきとはまるで別人だ……)
「あんまり生意気な事言ってると本当に殺
すぞ!……ガキが!」
バリウス「フッ…やれるもんならやってみろよ」
バリウスが鼻で笑って見下している姿に、ゲインは頭に来て感情が露になった。
ゲイン「てめぇ!!大人しくしてりゃ図に乗りや
がって!調子くれてんじゃねぇぞ!!!!」
ゲインはバリウスに猛烈にスピードで突っ込み、剣を振り下ろす。
バギンッ!! ガガガガガガーーー!
ゲインは大地が裂けるくらいに振り下ろし、バリウスを斬った………はずだったが……
ゲイン「……! どこ行った!」
ゲインはバリウスが居たはずの場所に目を向けたがいない。
そして程なくして、ゲインの背中に掌が当たる感触に気付き、慌てて振り向く。
ゲイン「な……なんだと?!」
バリウスはゲインの背中に掌を当てたまま力を込めた。
バリウス「フンッ!」
ズンッ!
ゲイン「ぐわぁぁぁぁーーー!」
ズガガガガガガガーーーー!!
なんと数百メートルに渡ってゲインは吹き飛ばされた。
────ヴァズの領域内────
ドルテ「このバリウスの気配………
ハウザーとやり合った時と同じだ!」
ユリウス「俺とクソ親父との一戦の時もこんな感
じだったぞ!」
リサ「………どういう事?まるで別人だよ?!」
ドルテ「俺が聞きたいくらいだぜ!」
三人のやり取りを聞きながら、ヴァズは何やら考え込んでいた。そして徐に質問する。
ヴァズ「ドルテ……バリウスがあんな感じになっ
たのは何かキッカケはあるのか?」
ドルテ「そういや、カーン老師から黒龍族のオー
ラを受け取ってからだと思う……」
ヴァズ「………! それだ!」
リサ「何?……何か知ってるの?」
ヴァズ「間違いない!私の勘が合っていれば、バ
リウスは今、『二重人格』だ!」
リサとユリウス、そしてドルテの三人はあまりの衝撃に言葉を失った。
────第9話に続く────




