第五章(最終章) 絆 第6話
遂にゲインが姿を現した。
バリウスとヴァズはゲインと向かい合う。
そして………
────クリスタリカ上空────
ゲイン「ここが一番人間が多いねぇ」
ゲインは、荒野と化したクリスタリカに降り立った。
ゲイン「派手に壊しやがって………
食い物の恨みは怖ぇんだぜ?」
そう言いながらゲインは、人が多そうな場所に向かってゆっくりと歩き出した。
ゲイン(美味そうな匂いがプンプンするぜ!)
するとそこへバリウスとヴァズが到着、ゲインの前に降り立った。
ヴァズ「ゲイン……随分と久しぶりだな……」
ゲイン「よぉ、寝返りヴァズちゃんじゃねぇの。
まぁ、お前が神様なんざ務まりゃしねぇ
と思ってたんだよ……クックック……」
ヴァズ「ネロはどうした……いないみたいだが…
貴様一人か?」
ゲイン「ネロ?……ああ~、アイツは俺が食って
やったよ。クソ不味かったがな………」
バリウス「食った?」
ゲイン「屍人を食っても美味かねぇよな……
クックック………」
バリウス「…! 人を……食うのか?!」
ゲイン「何も知らねぇんだな坊主。良いぜ、色々
教えてやるぜ?……なんせ俺の孫だから
なぁ、お前は………」
バリウス「……!」
ゲイン「俺はな、ネロが作った人造人間みたいな
もんだ。……で、飯は『人間』だ……
ちなみにネロは人じゃねぇ。転生を繰り
返してきたエネルギー生命体………地球
初期の人間が強欲にまみれて生き続けて
きたやつだ……
確か、カノン……だっけか?笑うよな
……クックック………」
ヴァズ「なんて事だ………」
バリウスは無言でゲインの話しを聞いていた。ネロの事もそうだが、むしろ自身の先祖がこんな形で生きている事が何より許せなかったのだ。ネロもゲインも、結局は自分自身の『欲』で生きている事に……
バリウス「……で? これから貴様はどうするつ
もりだ?」
ゲイン「良い質問だ………俺はこれから腹ごしら
えに行くんだよ……へっ!」
バリウス「そうか……」
バリウスはオーラを解き放ちながら剣を構えた。目が紅く光り、鋭い眼光はゲインに向けられている。
ヴァズ(……! 凄い!)
ゲイン「ほぉ……お前、ただの小僧ではない様だ
な。良いもん持ってるねぇ」
バリウス「ネロと良い、貴様と良い……どれだけ
罪の無い人を振り回せば気が済む!」
ゲインは不敵な笑みを浮かべながらバリウスに返した。
ゲイン「フッ………知った事か……」
バリウス「!」
次の瞬間………
ドフッ!………
ゲイン「うがぁぁぁぁーーー!」
ゲインはバリウスの蹴りで猛烈に吹っ飛ばされ、瓦礫の中に激突した。
バリウス「貴様は生かしておく訳にはいかない」
瓦礫の中から出てきたゲインは余裕の笑みを浮かべている。
ゲイン「やるねぇ……ガキだと思って少々舐めて
たぜ。面白ぇ!」
ゲインも戦闘態勢に入る。こちらも強烈なオーラだ。
ヴァズ「……ぐっ!」
(ここに居てはマズいか!)
ゲインはバリウスを見下ろし、不敵な笑みを浮かべながら言葉を放つ。
ゲイン「行くぜ………」
目に見えない程のスピードでバリウスに接近、瞬時に懐に入り込み拳をバリウスの腹に当てる。
だがバリウスは剣でガード。しかし後方に弾き飛ばされた。ガードした為かダメージはほぼ無くそのままバリウスは着地する。
バリウス(ただの拳か!)
ゲイン「フッ……ゲンコツ当てただけだぜ?」
バリウスは仕切り直して構える。
ゲイン「良いねぇ!……良い面構えだ」
バリウスも超スピードでゲインに接近する。
バリウス「はぁぁぁぁ!」
ガキンガキンガキンガキン!……
キンキンキンキンキン!………
両者のスピードはヴァズにはもはや見えていない。
バリウス「はぁ!」
ゲイン「おぅら!」
ドンッ!!!!
互いの強打の一撃がぶつかり合い、辺りに衝撃が走る。強い衝撃で突風が巻き起こる。
ヴァズ「ぐっ………」
(なんて戦いだ!……凄すぎる!)
ゲインとバリウスは距離を置いて向かい合っていた。
ゲイン「殴るの飽きた………
お互い、まさに真剣勝負しようぜ…」
ゲインは何も無い空間を突き破る様に腕を伸ばすと、何も無い筈の場所に穴があいた。
バリウス「……ん?!」
ゲインはそこからスラリと剣を取り出した。その剣は長く、そして大きい。
そして再び不敵な笑みを浮かべてバリウスに言う。
ゲイン「さて……楽しもうぜぇ…剣王さんよ!」
─────第7話に続く─────




