第五章(最終章) 絆 第3話
ゲインの過去のストーリー。
ゲインが現在の様になった経緯は……
リエラ「ゲイン?」
ゲイン「君が作る料理だけじゃない!外で食べる
物全ての味が感じられない!」
リエラ「……ゲイン……貴方、きっと疲れてるの
よ。黒龍族の兵士になってから忙しかっ
たし、今日は早めに休みましょ?……」
ゲイン「そ、そうだね………ごめん……」
こうしてゲインとリエラは寝床についた。
しばらくすると、リエラの寝息が聞こえた。しかしゲインは、ろくに何も食べておらず空腹で眠れない。気分を変えようと外に散歩に出たのだった。
月明かりの下、夜風に当たりながら歩いていると何処と無く美味しそうな匂いがゲインの鼻をついた。
ゲイン(良い匂いだ……お腹が空く………)
ゲインは匂いの元を辿って歩いていった。するとそこには料理などは無く、見回りの黒龍族の女剣士だった。
ゲイン(………人?………)
ゲインはゆっくりと近づく。女剣士はゲインに気付き問いかけてきた。
女剣士「そこで何してる?…眠れないのか?」
ゲインはこの時、空腹のあまり自我を無くしていた。
ゲイン「………わ……せろ……」
女剣士「なんだ?……ハッキリ聞こえないぞ?」
それは起きてしまった。
女剣士をあっという間に茂みまで連れて行き、ゲインは女剣士の腕に噛み付く。
女剣士「い!いやぁぁぁぁ!やめろぉぉぉぉ!」
この場所は村から距離があり、女剣士の悲鳴は誰にも聞こえない。
女剣士「ぎゃあああああああぁぁぁ………」
ブチ……ギュル……モキュ…モキュ…モキュ…
ゲイン「……ふが…ん……(ごくっ)…ふが……」
ゲインは女剣士の身体の肉、内臓を貪る。まるで飢えた猛獣の様に。辺りには大量の血が滲んで、地面は真っ赤に染まっていた。
しばらくしてお腹が満たされたゲインは、ふと我に返った。そして目の前の出来事を確認する様に見下ろした。
そこには、無惨に食いちぎられて横たわる女性の姿があった。もがき苦しんだのか、目を開けたまま動かなくなっている。そしてゲインは、動かなくなった女剣士と目が合った。
ゲイン「うわああああああぁぁぁぁぁぁー!!」
「やはりな……お前は私が拘束する……」
ゲインは驚いて振り向くと、そこにはネロが厳しい顔立ちで立っていた。
ネロ「お前は二度と私の傍から離れるな!」
その後ゲインは、リエラの元に戻る事は無かった。後にネロはゲインを確保、拘束し、自身の領域の錬成に成功した。そこでゲインを監禁する為に決めたのだった。
ネロが白龍族から姿を消したのはこの為だったのだ。
その後、リエラはゲインが帰って来ると信じ、自身の名を『リエラ・ゲイン』に改名する。そして妊娠していた事が発覚。元気な男の子を産んだ。
リエラ「お父さんの名前をあげるわね……
貴方は……『シリウス・ゲイン』よ…」
ゲイン・デウ・ファウル……
ネロが自身のオーラを凝縮し、錬金術で作り出した生命体。人の形をし、人の感情を持つ。だがやはり自然の生命体ではない為に変異してしまった特異体質。そして………ネロより戦闘能力が高い潜在能力を持つ。
─────現在・ネロの領域────
ゲイン「フッ………コイツを食ったせいか……
昔の事を思い出しちまった………」
ゲインはスっと立ち上がる。
ゲイン「何が神の審判だ……テメェはただの強欲
野郎だろ……
まぁ、死んじまったらなんにもならんが
な……クックック……
世界の人間を消す事は俺が許さん」
ゲインはゆっくり歩き始める。そしてニヤリとして呟く。
ゲイン「飯が無くなるだろ………」
─────第4話に続く─────




