第四章 神々へ…… 第12話
カーンはネロとの戦闘を続けていた。
圧倒的なネロの力の前に、遂にカーンの最終技が発動する。
そこにバリウス達がたどり着くが………
リサ「バリウスお願い!カーン老師を助けて!」
バリウス「行くぞ!ユリウス!」
ユリウス「ああ!」
ヴァズ「私も行こう!」
三人は急いでカーンの元に向かった。
バリウス(老師……どうか耐えて下さい!)
────クリスタリカ────
街の人「何あれ、空で爆発したわよ!」
「何が起こってるんだ?!」 「何か浮いてるぞ!」
ザワザワ………
強烈なエレメント達の攻撃は、カーンに炸裂した。大空で大爆発を起こし、カーンは煙に包まれて見えない。
ネロ「落ちてないと言う事はまだいるな………
しかし、うるさい人間だ………
少し黙れ……」
ネロは地表のクリスタリカの街に、ビー玉程の小さなオーラの玉を落とした。
街の人「おい!何か落ちてくるぞ!」
「危ない!」「なんだ…ちっちゃい玉じゃん」
そしてそれは地表に落ちた。
ドゴォォォォーーーー!
クリスタリカの街の半分を消し飛ばした。
やがて煙が消え、カーンの姿が見え始めた。
カーン「……ぐっ……はぁ……はぁ……」
(幾重にも張った防御壁が破壊された…
恐らく防御壁が無ければ確実に……)
ネロ「エレメント達のあの攻撃を受けて耐え抜い
たのはお主が初めてだ……流石だな」
ダメージを受けてかなり消耗しているが、カーンの目にはまだ覇気に満ちていた。
カーン「……お…お主を……封印する!」
ネロ「はっはっはっ!……何を言うんだカーン!
もうボロボロではないか。そんな調子で
戦っても死ぬだけだ………」
カーン「はぁ……はぁ……はぁ………
……な!何?!」
カーンは変わり果てたクリスタリカシティを見て拳を握り締めた。
カーン「また罪も無い人を……!
命に変えてもお主はワシが止める!」
ネロ「カーン……老いたなぁ……肉体が若ければ
まだ希望があったものを……」
カーン「ワシが死んでも代わりはおる!……
ワシの様なこんな老いぼれが出来る事
は、次の世代に希望を繋げる事じゃ!」
ネロ「神になれば良いものを……お主の様な素晴
らしいエレメンティストを失うのは実に惜
しいが、そろそろ死んで貰おうか……」
ネロは掌をカーンの方向に向け、オーラを収束させていく。
そしてカーンは全身からオーラを放出して力を込める。
カーン「……ワシの全てを込めようぞ!」
カーン『我の力の前に汝の力を示せ!……
出でよ!ネオ・グランドラグーン!』
バリウスとユリウスは、カーンがエレメントを召喚するタイミングで辿り着いた。
バリウス「カーン老師ーー!!」
カーンはバリウスの気配に気付いた。振り向かずにバリウスに叫ぶ。
カーン「来るでない!ワシのエレメントの巻き添
えを食うぞ!」
バリウス「……!」
そこに現れたエレメントは巨大な身体に岩の様な外殻を持ち、更に大きな翼があるドラゴンだった。
ネロ「なるほど……さっき我が呼んだのに反応が
無いと思ったら、完全にカーンの守護につ
いたのか……」
カーン「これで最後じゃ!ネロ!」
カーン『放て!メテオロッククラーッシュ!』
グランドラグーン『グォォォォーー!!』
遙か彼方の高いところから超巨大な岩の塊が、ネロの頭上から高速で降ってくる。
ネロは気付いて見上げて驚いたが、その巨大な岩の存在に気付いた時には回避すら間に合わない。
ネロ「……!」
ズズーーーーーーン!!!!
ネロ「……うぐっ!………」
ネロは岩に衝突した衝撃で地面に叩き付けられる様に吹っ飛んだ。
グランドラグーンは役目を終えて姿を消した。超巨大な岩はネロに衝突した後、地表に衝突する前に消えた。
そして最後の力を振り絞る様にカーンはネロを拘束する。
カーン「……結晶縛………」
ネロはダイヤモンドの拘束具で拘束された。
そしてカーンは力尽き落ちていく。真っ逆さまに海に落ちていくカーンをバリウスは受け止めた。
地上に降り、カーンをそっと横にする。ユリウスも無言でバリウスの後ろにいた。
バリウス「老師………何故………」
カーンは弱り果てた目でバリウスを見た。
カーン「……バリ……ウス………」
バリウスの目からは涙が零れ落ちた。カーンは弱々しい手でバリウスの頬に手を当てて話す。
カーン「……これで……良いんじゃ………
ワシ…は……長く……生き過ぎた……」
バリウス「そ、そんな……老師……」
カーン「……お主に会えて……良かった……
バリエラの……思い……を…お主達に
……はぁ…はぁ……」
バリウス「もう!何も言わないで下さい!」
カーンは少し微笑んで……
カーン「……愛を……忘れ……る…な……」
カーンは安らかな顔で息を引き取った。
今の今まで五大龍族の誇りを胸に強く生き、そして最後まで戦い抜いた古代の大賢者。永きに渡り活躍したエレメンティストの最期だった。
だが………
ネロ「フッフッフッ….…あははははは!」
ネロはダイヤモンドの拘束具を破壊し、立ち上がった。
ネロ「先程のは実に危なかったぞ!
流石の我も死んだと思ったわ!
しかし詰めが甘かったなぁ。岩の下敷きに
なっていれば殺せたのに、残念だったなぁ
カーン………」
よく見ると、ネロはあれだけの衝撃を受けたにも関わらず血を流していなかった。かすり傷があるものの、そこからも血が滲んでいない。
ユリウスは、ネロが血を流していない事に違和感を感じていた。そしてユリウスはネロに向かって言う。
ユリウス「神ってのは血が流れないんだな……」
ネロ「血ねぇ……此奴に血があれば流れる…」
ユリウス「……ん?!」
バリウスは立ち上がった。
バリウス「ユリウス、コイツは普通じゃない」
ユリウス「そうだな……」
バリウス「いや、そうじゃない………
あの身体は生きていない……」
ユリウス「……何?!」
バリウス「ここに来た時からアイツの気配に違和
感があった。恐らく……見た目の身体
は……死骸だ!」
ユリウス「…な!なんだと?!」
ネロはニヤリとしながら返す。
ネロ「フッフッフッ………ご名答」
────第13話に続く────




