第四章 神々へ…… 第9話
バリウスとユリウスは、ヴァズの領域で力を引き出す鍛錬に勤しむ……
─────ヴァズの領域─────
ユリウス「ここに来るのは二度目だな……」
バリウス「そうだな……」
ヴァズの領域。以前来た時と変わらず辺りは白い霧で覆われ、広いのか狭いのかよく分からない空間だった。
ヴァズ「この場を借りて詫びよう……
バリウス、すまなかった……其方の力が
どれ程まで覚醒しているのかを見る為で
もあったが、ネロを欺く為でもあった。
こうしてまた会えた事に感謝している」
バリウスは少し首を横に振って答えた。
バリウス「……正直、力不足を痛感させられた。
もしあのままネロに挑んでも、間違い
なく殺されてたかもしれない……
そう考えたらあれで良かった」
ヴァズ「……そうか……その言葉に救われた…」
少し様子をみてユリウスが割って入る。
ユリウス「『波動』の事だが、もう少し詳しく聞
かせてくれ……」
ヴァズは軽く頷く。
ヴァズ「さっきも言ったが、波動はオーラを必要
としない。……私は波動を使えないが、
普段の戦闘ではオーラを駆使して戦って
いると思う。波動はオーラ以外の何らか
の力を体内から放出するんだと思う……
不確かな情報ですまない……」
ユリウス「オーラを使わない……か……」
バリウスとユリウスは剣を持ったまま目を閉じて集中する。
ヴァズ「一言だけ……恐らくオーラを内在したま
ま体内に留め、別の力を引き出すイメー
ジだと推測する……」
─────ネロの領域・最深部──────
ネロ「ヴァズが裏切った……まぁ所詮は神のなり
損ないだったと言う事か……」
男「クックックッ……オメェも焼きが回ったなぁ
……ネロさんよ」
ネロ「ゲインか………」
ゲイン「大人しく俺を使ってりゃこんな事態にな
らなかったかもよ?……クックックッ」
ネロ「お主をまだここに留めているだけでも感謝
しろゲイン。」
ゲイン「何言ってんだよ…俺が怖ぇクセに……」
ネロ「お主は誤算だ……大人しくしてろ……」
ゲイン「ま、今はそうしといてやるよ……」
ネロ「…:…チッ…悪魔め……」
ゲイン(……フッ……どっちがだよ……)
─────ヴァズの領域─────
バリウス「……くっ!……ふっ!……」
ユリウス「……ぐっ!………ふんっ!……」
二人の体からオーラとは違う何かモヤの様なものが身体から放出される様になった。
この時、鍛錬を始めてから1日半が経過している。
ヴァズ(多少の誤差はあるものの、二人共良い素
質をしている……)
ヴァズが感心しながら見ていると、突然ユリウスの身体から放出される力が見られた。
ユリウス「うおぉぉぉぉぉ!」
ユリウスは目を見開いていた。その瞳は紅く光っている。
ヴァズ(これは!………間違いない!波動だ!)
「ユリウス!その調子だ!それを上手く留
めろ!」
ユリウス「くっ!………くっ!………」
だがユリウスは慣れない力の発動にあまり耐えられなかった様で、力尽きて膝をついて息を切らしていた。
ユリウス「…っがっ!……はぁ…はぁ…はぁ…」
ヴァズ「良いぞ!ユリウス……あとは慣れるだけ
だ!……よくやった!」
そして次いでバリウスも遂に発動する。何度か発動していた為かより強い力の発動だ。
バリウス「はぁぁぁぁ………」
ヴァズ&ユリウス「………!」
バリウスの瞳はシリウス戦の時の様に紅く光っている。ヴァズの領域内の空気や地面が震える。
ヴァズ(これは………予想以上かもしれん……)
ユリウス(やはりこの時の兄貴はバケモンだな)
ヴァズは少し間を置いて二人に話す。
ヴァズ「……少し休もう……」
リサ「カーン老師、お茶をお持ちしました」
カーン「おぉ……これはありがたい」
リサ「バリウス達は…大丈夫でしょうか……」
カーン「ほっほっほっ……お嬢ちゃん……
まだ3時間くらいしか経っとらんよ」
この会話に一人ニヤニヤしながら割って入るのはデイジーだ。
デイジー「リサちゃん!……愛!だねぇ」
リサ「……ちょ、ちょっとからかわないで!」
────第10話に続く────




