第四章 神々へ…… 第8話
ヴァズからの話しを通し、皆の気持ちが1つになりつつあった。
そしてヴァズの提案で神に対抗する切り札が準備される………
ヴァズ「神の審判を止めるぞ!」
そう言ってから少し間を置いて皆に語り始めた。
ヴァズ「私は神に仕えていた。機会を伺いながら
神を止める方法を模索して潜入したつも
りだったが、私では無理だった……」
ユリウス「あれだけ強いアンタで無理なら俺達に
不可能じゃないのか?」
サッド「おいユリウス、コイツそんなに強いの
か?」
ユリウス「兄貴を死ぬ寸前までに出来る奴だ」
サッド「…はぁ?そんな奴が無理ならどうしよう
もないじゃんよ!」
バリウス「オレも同感だ…」
バリウスはヴァズの領域での出来事をシヴァ、サッド、デイジーに話した。
デイジー「あんなに強い剣王さんをボッコボコに
しちゃう人が無理だったらもう無理
じゃん!」
シヴァ「だが、それが出来る方法があると言う事
ですな?……ヴァズと言ったな、詳しく
お聞かせ願おうか……」
ヴァズ「率直に言う……切り札はバリウスだ」
一同「…………!!!!」
カーン「ほぉ……」
ヴァズ「一度は目にした事があると思うが……
カーンから本来の…要するに今の力に
戻った時のバリウスに時々見られる強い
力の事だ……」
ドルテ「そういえばハウザーとの戦闘の時に、バ
リウスがハウザーを睨んだだけで吹っ飛
ばしたぞ!それに蹴りの一撃、あれも普
通ではなかった!」
ユリウス「確かに……親父との交戦の時にもあっ
たな……目が紅く光っていたし……」
ヴァズ「それだ……今は自分でコントロール出来
ないみたいだが……恐らくバリウスの身
体の中で白龍族と黒龍族のオーラが上手
く組み合わさり、特殊な力に目覚めてい
ると私は思っている……」
バリウス「……オレが……?」
ユリウス「俺は老師に少し鍛錬をして貰ってたん
だが、オレは親父の力を強く受け継い
でる為か、黒龍族のオーラが身体に
合ってるらしい……
でも兄貴はお袋の力を強く受け継いで
る上に、細胞レベルでは黒龍族の血が
流れてる。上手く言えないけど、その
バランスが良かったのかもしれない。
同じ双子の兄弟だが、そこが違うのか
もしれないな……」
バリウス「確かに……感情が高ぶると自分ではコ
ントロール出来ない様な力が出る時が
ある……無意識だけど………」
部屋にいる一同は少し沈黙した。そしてヴァズはその沈黙の中、バリウスとユリウスの二人を見て言った。
ヴァズ「その力……其方ら二人の兄弟にしかない
力……『波動』」
バリウス&ユリウス「……!」
ドルテ「おい!なんだよそれ!」
ヴァズ「…ゲイン・デウ・ファウルの力だ……」
カーン「……なんと!」
ヴァズ「ネロの領域で、危険過ぎるあまりゲイン
は監禁されている様だ。
ゲインもネロの恩恵を強く受けている黒
龍族の始祖だが、奴だけが突然変異で独
自の力に目覚めた。それが『波動』だ。
波動はオーラに頼らない能力で、身体の
外や内側にもダメージを与える能力だ」
ドルテ「…あ!だからか!………
ハウザー戦での蹴り!あれか!」
ヴァズ「ドルテ、其方が見たバリウスの蹴りには
波動が乗っていたんだろう……
蹴り一撃で内臓の幾つかにダメージを与
えていたのかもしれない……」
ドルテ「……こ、怖ぇ……」
ヴァズ「カーン、私からの提案だ。
バリウスとユリウスの二人を私の領域内
で力を引き出そうと思うが大丈夫か?」
カーンは少し考え込む様に黙った。そしてふとヴァズに質問する。
カーン「ネロは……まだ動かんのか?」
ヴァズ「私が戦った時にエレメントを召喚した。
流石のネロもエレメントの召喚はそれな
りにオーラを消耗する。
審判を下す時の能力は、ネロのオーラで
も全快じゃないと使えない。予想は3日
……だな。
もう、この二人……そしてバリウスに頼
るしか神の審判を止める方法はない!」
カーンはヴァズの目を見つめ、決意した様に言う。
カーン「うむ!……ヴァズ、頼んだぞ……」
こうして対神戦の力を引き出すべく、バリウスとユリウスはヴァズの領域へ行った。例の如く瞬間移動の様に。
リサ「カーン老師……バリウスは……バリウスは
大丈夫でしょうか……」
カーン「お嬢ちゃん……信じよう……」
シヴァ「私達に今出来る事はあるでしょうか……
老師………」
カーン「……うーむ……」
ドルテ「……もう、剣士レベルの次元の戦いじゃ
ねぇな……
生ける者全て……手を取り合わねぇと」
デイジー「いい事言うじゃん!オッサン!」
ドルテ「………」
──────ネロの領域──────
ネロ「思ったより回復が早い………
フッフッフッ……今度こそ無に帰す時だ」
─────第9話に続く─────




