第四章 神々へ…… 第7話
ユリウスはカーンの言う通りにヴァズを連れ帰った。そしてヴァズはカーンとユリウスに語る。
長い眠りからバリウスも遂に目覚め、そして今後の動向が………
──────カーン邸・地下室──────
薄暗い地下室の中でヴァズはゆっくりと目を覚ました。地下室には厳重な結界が張り巡らされており、ヴァズが暴れられない様になっていた。
ヴァズ「フッ……用心深いな………」
しばらくするとカーンとユリウスがやって来た。
カーン「随分やられたみたいじゃが?…」
ヴァズ「………フッ……ネロを狙ったらこのザマ
さ。やはり奴は強い……」
ユリウス「アンタ、神の仲間だろ?何故そんな事
する……」
ユリウスの直接的な質問に少し黙ったが、決意したのかゆっくりと語り始めた。
ヴァズ「…………止めたかったんだよ……」
カーン&ユリウス「……!」
ヴァズ「繰り返される『神の審判』、神の私利私
欲の為に多くの犠牲が出る。
過去に二度行われた審判で、ネロの目的
は達成されなかった」
カーン「なんと!……」
ユリウス「それが神のする事かよ!」
ヴァズ「私もそれを知ったのは、ネロから正式に
神としての力を与えられた時に聞かされ
た話しからだった……
許せなかったんだよ、ネロを……」
カーンとユリウスはこの時、ヴァズに戦意が無いことを実感した。
一方その頃、別室で眠っていたバリウスが目を覚ました。実に15日もの間眠ったままだったのだ。
バリウスはゆっくりと身体を起こしふと気が付くと、リサがベッドに上半身を預ける状態で座ったまま、そしてバリウスの手を握って眠っていた。
バリウス「…リサ……」
バリウスはリサの頭をそっと撫でた。
バリウス(あれは夢だったのか?…それとも…)
バリウスはリサの頭に優しく手を添えて考えていた。
あの空間は何だったのか……今のバリウスにはもはや知る由もない。
ようやく意識がはっきりしてきたのか、ふと窓の外に目をやる。部屋はランプの灯りで薄らと明るかったが、外は静かな夜だった。
バリウスはリサを抱え、ベッドに寝かせた。入れ替わりにバリウスが椅子に座り、そこで眠った。
次の日、地下室に張り巡らされていた結界は解かれ、ヴァズは応接室のソファに座っていた。そこへバリウスと鉢合わせする。
バリウス「……!」
バリウスは慌てて剣を構える。しかしヴァズはバリウスを見て言った。
ヴァズ「剣を下ろしてくれ。今は其方とやり合う
つもりはない。」
バリウス「………」
戦意が無い事を察知したのか、バリウスは剣を下ろした。
ヴァズ「其方の仲間全員に伝えたい事がある。
………神についてだ……」
そこへカーンが来た。
カーン「左様。バリウス、身体は?」
バリウス「お陰様で大丈夫です。ありがとうござ
います」
カーン「礼なら、お嬢ちゃんにも言いなさい。
ワシだけでは助ける事は不可能じゃった
よ……」
ヴァズ「バリウス……事情はともあれ詫びよう」
こうして応接室に全員が集められた。ドルテが呼びに行ったのか、シヴァ、デイジー、サッドの三人も久しぶりに集まった。
サッド「剣王!……お久しぶり!」
バリウス「サッド、腕上げたな!」
デイジー「リサちゃ~~ん!久しぶりだよ~!」
リサ「そうだね!うふふ……」
シヴァ「老師、お元気でしたか?」
カーン「お陰さんでのぉ」
シヴァ「この者が………」
カーン「うむ、神に仕えていたヴァズじゃ」
シヴァは少し警戒し、ヴァズに剣を向けた状態で言葉を放つ。
シヴァ「ヴァズ、妙な真似をすれば………
分かっているな……」
ヴァズ「そのつもりは無い……」
シヴァは剣を下げ、ゆっくりとソファに座った。
全員が集まったタイミングでカーンが話し始めた。
カーン「皆に集まって貰ったのは他でもない。
来たる『神の審判』の事じゃ……」
ヴァズ「私から話そうカーン……」
カーンは頷き、椅子に座った。
ヴァズ「神の審判を止めるぞ!」
─────第8話に続く─────




