第四章 神々へ…… 第2話
神の領域への手段を模索していた一同。
方法が見つからない状態の時に招かざる客が……
バリウス達がそれぞれ鍛錬を始めて一週間程経過していた。カーンは地下室で毎日、空間移動の術の習得に励んでいたが、やはり高齢の為か厳しい現状が続いていた。
カーン「はぁ……はぁ……はぁ……」
(イカン……どうすれば出来るんじゃ…)
膝を付いて息が上がっている。そんな疲労困ぱいのカーンの前に突然現れたのが……
ヴァズ「無駄だ……止めた方が良い……」
カーン「……! お主!」
ヴァズ「老体には酷な事をしてるな…」
カーン「………ワシは死んでも構わんと思っと
る。若い龍族が未来を作ってくれるなら
な……」
ヴァズ「其方程のエレメンティストなら、我々と
同じ神になっても良かったものを……」
カーン「戯けが!お主は神に加担するのか!
ネロの個人的な欲望で罪の無い者全てを
消し去る権利は神とて無いのじゃ!
己を神と言うのなら、人々に干渉するべ
きではない!」
ヴァズは少し黙ったが、少し諦めた様な表情を浮かべてカーンに呟く。
ヴァズ「私に任せておけば良い………」
カーン「……!」
ヴァズ「先に言っておくが……カーン、其方が空
間移動能力を身に付けたところで神の領
域には辿り着けない……
何故ならあの術は神のみの術だ……」
驚いたカーンはヴァズの顔を見つめたが、ヴァズは暗闇に溶け込む様に姿を消した。
次の日、カーンは皆を応接室に呼びヴァズとの会話の事を話した。
ドルテ「じゃあ俺達はどうにも出来ねぇのか!」
カーン「もしヴァズの言う事が本当なら、ワシが
空間移動能力を使ってもこの世の何処か
に転移するだけじゃ……」
ユリウス「チッ!……神め……」
バリウス「何か別の方法があれば……」
少しの間沈黙が続いたが、ずっと黙っていたリサが沈黙を破る様にそっと言葉を発した。
リサ「……あ…あの、私なら……出来ます?」
一同「………!!」
一斉にリサに注目する。
リサ「カーン老師に私のオーラを送れば……」
カーン「なるほど…ワシもお嬢ちゃんも負担が少
ない!しかもカルディスの力なら!」
「どうしても神の領域に行くのか………」
皆が一斉に声のする方を見ると……
バリウス「……! お前は!」
ユリウス「……何者だ!」
ドルテ「いつ何処から来た?!」
カーン「……ヴァズ………」
ユリウス「なんだと?!」
ユリウスが剣を構えたが即座にカーンが制止する。
カーン「やめておけ!……此奴も神じゃ!
お主が束になっても倒せん!」
ユリウス「…な!」
ヴァズ「其方らの中で強いのはバリウスとユリウ
スの二人か……
神の領域に足を踏み入れるだけの力を
持っているか試すか?」
ヴァズはニヤリと笑みを浮かべて腕を上げた。その瞬間、バリウスとユリウス、そしてヴァズは一瞬にして姿を消した。
リサ「…何?!……何が起こったの?」
カーン「な、なんと!」
ドルテ「お……ぉぉおい?!……」
──────????──────
バリウス「……?!」
ユリウス「………ここは?!……」
周囲を見回す二人だが、霧の様なモヤに覆われており何処か判別がつかない。そして霧の中からヴァズが現れた。
ヴァズ「ここは私独自の領域だ」
ユリウス「何を言っている!」
ヴァズ「ここでは誰も邪魔出来ん特別な空間だ。
神は特別なんだよ……そして……」
ヴァズの姿が一瞬見えなくなると同時に強烈な蹴りをユリウスに浴びせる。
ドゴォ!…………「うぐぁ!」
ユリウスは10数mに渡り飛ばされた。
バリウス「ユリウス!……貴様!」
ヴァズ「フッ……」
ヴァズはニヤリと笑みを浮かべている。そして手を伸ばすと、何も無い所からすっと剣があらわれ、ヴァズは手に取った。
ヴァズ「試してやろうバリウス。お前がネロと戦
うのに相応しいかどうか……
私に勝てない限りネロには到底及ばん」
神の一人であるヴァズとバリウスの一戦。
ユリウスはただ見守るしかなかった……
────第3話に続く────




